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カテゴリ:茶木の音楽紀行
福岡空港に着いたのはもう夜遅い時間で、それからが問題だった。
僕は財布の中に百マルク札が一枚、柴田は八千円、二人合わせても日本円で一万六千 円ぐらいしかない。 それで関西までどうやって帰るか考えてみた。 まず船と思い案内所で尋ねてみると、一万九千円かかるのでだめだ。 案内所の人は、「夜行バスなら行ける」と教えてくれたが、時計を見ると最終バスの 時間までほんの少ししかなかった。 僕たちはまた全速力で走ったがぎりぎりのところで間に合わなかった。 「しょうがない、とりあえずホテルに入って事情を説明して家から速達でお金を送っ てもらおう!」と柴田は提案した。 ホテルを探すべく歩き出した時、柴田が「こんな時パチンコでうまく稼げたらなー! 」とつぶやいてふと目を上げるとネオンも鮮やかな大きなパチンコ屋が目の前に聳え 立っていた。 柴田は奮闘して資本は二万円になったが、新幹線で帰るまでには届かず「今日はサウ ナに泊まってこの二万円で思い存分久しぶりの日本の物を食べて、明日になれば僕の ビザカードでお金を降ろして、新幹線で悠々と帰りましょう!」と彼はまた提案した 。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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