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カテゴリ:茶木の音楽紀行
我々は宿泊できるサウナに行き、ゆっくり風呂に入った後そのままガウン一枚で入れ
るレストランに行き、とにかく手当たりしだいに注文した。 できるだけ日本でしか食べられない物ばかりで、「お好み焼き・うどん・あげだし豆 腐・から揚げ・その他」。 宿泊代と食事代で持ち金はほとんど使い果たして、後小銭が少ししか残っていなかっ た。 次の日は朝から福岡はとても良い天気で、僕たちは喫茶店でモーニングを食べてから とても清々しい気持ちで銀行へ向かった。 ロビーで「ちょっくらお金を降ろして来ますからここで待っていて下さい」とニコニ コして言って彼はカウンターの方へ行き、僕はソファーに座って待っていた。 しばらくすると彼は戻って来て「えらい事になった!」と言った。 彼の顔からは笑顔は消えていた。 「どうした」と尋ねると、「このビザカードは国内では使えないと言われた!」と言 って力なくソファーに座った。 さーどうする、今我々は本当の一文無しなのだ。 しばらくの沈黙の後、「警察に行って金を借りるか!」と僕が言うと、「いや!キセ ルで帰ろう!」と彼は小声で言った。 キセル? 僕はキセルと言う意味がよく分からなかったが、彼について四月の爽やか な朝の日差しの中を駅に向かった。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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