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テーマ:お金のない世界(611)
カテゴリ:未分類
優希は稔に聞いたみたくなった。 「稔君はどんな遊びをしてるの?」 「もちろん人生ゲームはないよ。外遊びが多いよ」 「外で何して遊ぶの?」 「冒険旅行かな?」 「冒険旅行?」 あまりにも思いがけない答えが返って来たので、 優希はますます聞いてみたくなった。 「街の中でも冒険できるの?」 「うん。できるよ」 「どんな冒険するの?」 「学校で習った仕事の種類を見て回ったり、大人 がどんな所で遊んでいるのか見るの」 「入ってはいけない所もあるんだろ?」 「もちろんそういう所へは行かないよ」 「今までどんな所がおもしろかったの?」 「楽器を作る所とかおもちゃの工場とかね」 「いいな~、僕も行ってみたいな~」 「この世界も行けるんじゃないの?」 「そんなこと考えたことないんだけど(笑)」 「冒険するのが楽しいのは自由に行けるからね」 「そっか~、お金がなくても良いからね」 「バスも電車もレストランもホテルも空いていれ ばいつでも自由に使えるから大丈夫だよ」 「それって、親が心配しないの?」 「だからこのスマホを持っているんだよ」 「何それ?」 「携帯電話だけど位置情報がわかるんだよ」 「僕たちは携帯電話しか持っていないよ」 「そっか~まだなんだね」 「じゃあ家の中にいるより外のほうが楽しいね」 「うん。そうだよ」 「じゃあ遠くまで冒険できるね?」 「夏休みなんか友だちと一緒に旅に出るの」 「いいな~」 「途中で『乗せてやろう』ってタクシーの運転手 さんが言ってくれたり、『何か食べて行きなさ い』って知らないおばちゃんに言われたりね」 「いいな~」 それを聞いた優希は一つの疑問を見つけて聞いた。 「誘拐とか犯罪は心配ないの?」 「誘拐ってな~に?」 「子どもをさらって行くの」 「何のために誘拐するの?」 「身代金目当てで・・・あ!そうか」 お金のない世界であることに気が付いた優希は身 代金という言葉は存在しないと思った。 優希はますますお金のない世界に興味を持った。
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最終更新日
2020年02月26日 00時00分08秒
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