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幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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Feb 21, 2013
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カテゴリ:シェフの雑記帳

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 エゾ鹿のコンソメ完成しました。下地のブイヨンに鶏ガラを5キロ牛すね肉を1本(約4キロ余り)今日は朝からそのブイヨンに鹿の赤身肉をミンチにしたものを5キロ余り使ってコンソメをひきました。

 2011年のクリスマスにも作ったんですが、野生動物である鹿でコンソメを作るというのはかなり難易度が高い仕事です。肉の癖など出てしまったらおしまいですからね、、。

 コンソメというのは、逆算の料理です。仕上がりをイメージし、材料の配分を考え、最終的な仕上がりの量を決めてその量に煮詰まったときにちょうど味も仕上がっているという風にゴールを考えてスタートとペース配分を決めます。

 血の気の多いシカのひき肉に玉ねぎニンジンセロリなどの香味野菜を合わせて、酸味の調整にトマトなども入れます。そこにアク取りのために卵白を入れてよく混ぜ、昨日作っておいたブイヨンを入れます。それをかき回すと、トマトジュース入りのにごった豚汁?みたいな感じで、これが最後に琥珀色に透き通ったスープになるとは何回作っても信じられないくらいのドロドロ状態なんですね。ある程度温度が上がって、鍋の中の対流ができるまではしばらくかき回しながら火にかけてゆきます。火が通ってくると肉が変色してきて、グレーに変わってきます。見た目はますます凶悪な感じになってきます。ある程度温度が上がり、鍋の中で対流が起きてきたらかき回すの止めます。卵白が肉や野菜とアクを固めて分厚い蓋のように固まってきます。そうなってきたらその蓋の真ん中あたりに穴をあけて、そこからスープが泉のように湧き上がるように火加減を調整してゆきます。うまく泉状態になったころには、スープはすっかり澄んでいるんですから不思議なもんです。

 沸騰が安定してきたら、黒焼きにした玉ねぎとニンニクを入れます。これはスープを琥珀色に染め、また香ばしい香りをつけるためです。カラメルを入れる人もいますが、私の好みではありません。玉ねぎとニンニクの黒焼きのほうが断然良いです。

 今回もきれいな味わいに仕上がりました。臭みなど全くなく、鶏や牛や鹿や野菜の味わいが混然一体となった整然とした味ですが、よく味わうと野生動物である鹿の生命力の精髄といったものを感じますね。小分けして冷凍して保存しますので、出来立ての味が保存できると思います。






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Last updated  Feb 21, 2013 08:18:12 PM


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 madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
 ゆり777@ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
 おかめ@ Re:食べる姿(10/31) なるほど!私も無粋な行為をしていた一人…
 mermerada@ はじめまして! エスカルゴは好きで、メニューに有ると頼…
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