テーマ:シェフのスペシャリテ(240)
カテゴリ:シェフの雑記帳
サンク・オ・ピエ秋のコース2014 Terrine de saumon d'automne aux champignons , sauce creme aux champignons froid Foie gras chaud et Cepes Consomme de Volaoille TOKIMEKI au SHIITAKE sec avec MATSUTAKE Caille Royal de Dombe etouffee poelee avec Risotte aux chateigne et aux duxcelles dechampignons
AFFOGATO de Glace aux Marronset Cafe ECRU
Terrine de saumon d'automne aux champignons , sauce creme aux champignons froid テリーヌってフランス料理に限らず最近では和食の人もテリーヌをメニューにのせることも多くなってきましたが、、意外に正確なテリーヌの意味を知らない人が多いかもしれません。(プロも含めて)テリーヌというのは、、、 この器の名前なんです。これは、フランスのル・クルーゼ社製のもので琺瑯びきの重厚なテリーヌです。こういう角型のほかにも丸いのや楕円形などもあります。まあ、親子丼とか牛丼とか言うでしょ?でも、丼を食うわけじゃない。お椀物と言ってもお椀を食うわけじゃない。あれと一緒で、器の名前が料理名になったんですね。このテリーヌ型に何か食材を入れて焼いたり蒸したりゼラチンや寒天入れたりして固めたり、重石して固めたりすれば、それがテリーヌなんです。つまり、テリーヌというのは器の名前であり料理名であるけれどもそれ自体が食いものではないというわけ。もともとは、肉で作るのが主流でした。余った切れ端の肉やフォアグラやレバーの切れ端などを上手に利用して、パイ包み焼きにして冷やすと肉が縮んでパイとの隙間に少し空間ができるので、そこにコンソメゼリーを流しいれて固めると、これがPate en crouteパテ・アン・クルートというクラシックな料理になります。それをパイ包みは手間がかかるから器に入れて焼いちゃえとなったのが、テリーヌの始まりではないかと思います。 魚のテリーヌが流行りだしたのは70年代後半くらいからかと思います。所謂、ヌーベル・キュイジーヌ(新フランス料理)のころからですね。ヘルシー志向で魚のテリーヌが良い!ということで流行ったんですが、魚のテリーヌは魚と生クリームがほぼ同量なので、決して低カロリーではありません。まあ、肉のテリーヌは脂肪分が50~70%くらいですから、それに比べれば半分くらいですけどね、、、。いかにヌーベル・キイュジーヌ以前のフランス料理が高カロリーだったか!ということですね。一人前にバターを200グラム以上使うレシピがざらにありましたからね! かなり話が横道に、、、それでこの秋のコースのテリーヌですが、サンク・オ・ピエでは普段は魚のテリーヌを作るのに38%の生クリームを使っています。基本的レシピは魚500gに生クリーム500ccに卵白2個分塩8gと白コショウとナツメグ各少々。ですから、仕上がりは脂肪分20%弱くらいでしょうか、、。今回のテリーヌは生クリームを47%にしました。そのぶんクリーミーです。キノコを微塵切りにして3時間くらい弱火で炒めたデュクセルというものを混ぜ込んで、キノコの風味をたっぷりつけています。添えたソースは干しモリーユ茸と干しシイタケを使ったクリームソース。干しモリーユ茸は、キロ10万近い超高級食材ですが、そのうまみは干しシイタケの比ではないくらいで、ものすごくキノコの旨味を感じます。このテリーヌを一口食べると一気に秋の気分になりますよ! Foie gras chaud et Cepesフォアグラのソテー、ポルチーニ茸添えです。 かつて三ツ星の中の三ツ星と言われた夭折の天才シェフアラン・シャペル氏が「フォアグラとポルチーニは真実の味わい」と称えたと言われるくらい、ご馳走の中の御馳走料理です。フォアグラにはあまり赤ワインは合わせませんが、この料理には美味しい赤ワインを合わせたいですね。特にイタリア風に!イタリア赤ワインの王様と言われるバローロとポルチーニの組み合わせは最高です。サンク・オ・ピエでは、バローロの聖地ラ・モッラで作られているバローロのセカンドワイン的なものを用意してあります。中身はほとんどバローロ言ってよいのですが、格付けをあえてしないでそのぶんだいぶお安く提供できます。 そういえば、この秋のコースは赤ワインをボトルで1本あけて二人で楽しむのにちょうどよいメニューです。最初のテリーヌも魚ですが、温度が低めの赤ワインなら違和感ありません。フォアグラやもちろんメインもリゾット仕立てなので、イタリア系の赤ワインが合うと思います。 ときめき鶏のコンソメに干しシイタケの香りと旨味を加えまして、松茸も入れちゃいました。美味いです!美味いですよ!! Caille Royal de Dombe etouffee poelee avec Risotte aux chateigne et aux duxcelles dechampignonsドンブ産窒息ウズラ・ロワイヤルのポワレ、山栗ときのこのデュクセル風味のリゾット添えです。 ウズラというのは、サイズが大きいほど高くなります。このウズラはロワイヤルサイズで王様サイズです。これは普通のウズラの倍近い値段。まあ、ちょうど重さも倍近いです。この上にインペリアルサイズというのがあって、ウズラの皇帝か天皇陛下か?というサイズになると大きさは普通のウズラの3倍くらいなのですが、値段は8倍以上というわけのわからない世界になります。さすがにインペリアルは高いので今回はロワイヤルにしました。リゾットにはデュクセルを入れてキノコ風味が濃厚。スペイン産の山栗も入っています。ウズラがやはり美味い!こんなうまいウズラがあるんだなと思いました。そのうちインペリアルも試してみなければと思いました。 Glette aux chataignes , Pave de chocolat de Cramelia de VALRHONA , AFFOGATO de Glace aux Marrons et Cafe ECRU 栗のガレット、ヴァローナ・カラメリアのパヴェ・ド・ショコラ、栗のアイスクリームとさかもとこーひーのカフェ・エクルのアフォガード仕立て デザートの栗のガレットはアーモンド粉とイタリア産のローマ法王庁に献上しているという栗粉を半々に合わせてバター砂糖卵で生地を作り、中にラム酒風味のマロンペーストを挟んで焼いてあります。ちょっと和菓子の栗餡みたいな感じです。生チョコは、フランスヴァローナ社のカラメリアというカラメル風味のショコラに更にビターなカラメルをたっぷり補強して少し塩も入っています。これはちょっと“やばい”というくらい美味いですよ!栗のアイスクリームはさかもとこーひーの濃縮リキッドコーヒーカフェエクルをかけてアフォガート仕立てになっています。アフォガートとは、イタリア語で溺れるという意味で、アイスクリーム(ジェラート)にエスプレッソコーヒーやリキュールをかけるのが普通です。カフェエクルはもともとカフェラテの素ですから、乳製品と相性が良いです。文字通り美味に溺れてください。このデザートに合わせるのはもちろんさかもとこーひーのサンク・オ・ピエ秋のコース専用ブレンドです!デザートとこーひーがお互いを高めあい最高のマリアージュですよ! 日曜日にこのコースを召し上がったお客様は、「今までのサンク・オ・ピエの季節コースの中でも最高に美味しかった。」と言ってくださいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 7, 2014 08:59:06 AM
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