カテゴリ:シェフの雑記帳
Terrine de saumon d'automne aux champignons , sauce creme de morille froid 前菜です。普段から魚のテリーヌは人気があるんですが、このテリーヌはいつにもまして評判良いです。魚のテリーヌを作るときに魚に対して同量くらいの生クリームを使うのですが、普段の仕込みでは乳脂肪35%の軽いクリームなのに対して、このテリーヌには47%の一番濃いクリームを使っていますから、かなりこくがあります。そして、テリーヌの下半分にはきのこを混ぜ込んでいます。そのきのこもデュクセルといって、マッシュルームとシイタケに舞茸とシメジなどを微塵切りにしてから弱火でゆっくり2時間ほど水分を飛ばして味を凝縮させたものを使い、、、さらに干したモリーユ茸の冷製クリームソースが旨味を重ねます。この干したモリーユ茸の旨味は干しシイタケより強力でちょっと土臭い香りがいかにもきのこ!といった美味しいソースになってます。干したモリーユ茸は高級品で1kgあたり10万近くします。この料理に合わせるワインは、CAVE相川お勧めのAlsace Pinot Blanc 2010 domaine Fleithアルザス、ピノ・ブラン、ドメーヌ・フライト。少し熟成感もあり、芳醇な味わいの白ワインがこのクリーミーな料理によく合います。 Foie gras chaud et Cepes このポルチーニは、スペイン産の冷凍物を使っています。この時期フランス、イタリア、ハンガリーやスペインなどから空輸の生も手に入りますが、まず輸送コストが高いのでとても高価!その上いくら空輸といっても通関や検疫などの関係もあって結構鮮度が落ちます。特にポルチーニは傷みやすいきのこなので、生はリスキーです。数年前に今使っている冷凍のスペイン産に出会ってからはずっとこれを使っています。仕入れが安い分たくさん使えますからね!この料理はフォアグラとポルチーニが同量くらいでないと美味しくありませんから、、、。まあ、安いといってもフォアグラと冷凍ポルチーニの値段は同じくらいですけどね、、、。生ポルチーニはフォアグラよりはるかに高いので、ごく少量しか使えなくなります。それじゃつまらない。それにきのこは冷凍することで少し旨味もアップしますし、特にこの製品は食感なども全く遜色ないです。すごく美味しい!ポルチーニの笠の部分は、よく炒めた茄子くらいのとろっとした食感、軸の部分はエリンギ茸よりもう少しシャキッとした感じで炒めると独特の旨味と香りの粘り気のあるジュが出ます。シイタケとエリンギとナメコとエノキ茸の良いとこどりみたいな美味しすぎるきのこですよ。 これがもうフォアグラと合わせるともう大変なことになります。美味すぎる!「一生食べ続けていたい」とか、「無くなりそうになると泣けてくる」などというご感想もちらほらです。 これに合わせるワインは、3パターン用意しました。 まず相川さんお勧めのMontlouis sur Loire 2012 Guy Allionモンルイ・シュル・ロワール、ギィ・アリヨン。これはロワールのソーヴィニヨンブランで、やわらかで芳醇な感じの白ワイン。フォアグラの脂の重さをスーッと和らげて、きのこの余韻とうまく調和します。次にBourgogne Grand Ordinaire 2010 domaine Martinブルゴーニュ・グラン・トルディネール、ドメーヌ・マルタン、これは非常にきれいなブルゴーニュで落ち着いた味わい。きのこの旨味を受け止め、きれいな酸が口をさっぱりさせます。3つ目は、Langhe Rosso 2009 Pietro Rinaldiランゲ・ロッソ、ピエトロ・リナルディ、これはイタリアワインで葡萄品種はメルローとバルベーラ、スーッと入ってくる滑らかさがありながらしっかりしたボディーがあるので、この料理とがっぷり四つに組む感じのクラシックなマリアージュです。
Crème de champignons de Paris à la Cappccino 香りも味も濃いフランス産のマッシュルームは、ちょっとマツタケに似た香りまでしてとても美味しいポタージュになりました。その上に泡立てた牛乳をのせてカプチーノ仕立てにしました。味わい深し秋深しといったスープです。 これには、相川さんお勧めの Touraine Chenonceaux 2013 Guy Allionトゥーレーヌ・シュノンソー、ギィ・アリヨンをテイスティンググラスで60ccほど。これもロワールのソーヴィニヨンブランで、きのこの複雑な旨味と泡の優しさにマッチします。まず、ワインを一口、スープを味わい、その余韻でまたワインを少し、、、。
Epaule de cochon SPF au vin rouge avec Risotte au Gorgonzola 豚肉7キロ余りに対して赤ワインを10本とマデラ酒を1本使った煮込みです。フォン・ド・ヴォーなど肉の出汁類は一切使いません。肉自体の旨味だけのシンプルなソースです。秋らしく栗も添えて、、、そして、ゴルゴンゾーラのリゾットがまた主役級の美味さです!ブルーチーズは苦手という方もいらっしゃるでしょうが、加熱調理することで結構青かびの風味が緩和されてマイルドになります。ゴルゴンゾーラのリゾットやパスタは意外に食べやすくて美味しいものですよ。それに赤ワイン煮込みとゴルゴンゾーラのリゾットですから、赤ワインに合いまくりです。これに合わない赤ワインを探すほうが難しいかもしれませんね。 これには、 先ほどフォアグラにも合わせた2種類のワイン、Bourgogne Grand Ordinaire 2010 domaine Martinブルゴーニュ・グラン・トルディネール、ドメーヌ・マルタン と Langhe Rosso 2009 Pietro Rinaldiランゲ・ロッソ、ピエトロ・リナルディ を用意しました。どちらかというと、ブルゴーニュは煮込み本体に焦点を当てて、ランゲロッソはゴルゴンゾーラのリゾットに焦点を合わせる感じです。その他にも煮込みといえばボージョレも良いですし、バローロやバルバレスコなどのイタリアワインも良いでしょうし、スペインのリオハやリベラデルデゥエロなども合いそうです。 デザートとこーひーのお話はこの次にします。
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Last updated
Oct 12, 2015 04:36:58 PM
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