カテゴリ:シェフの雑記帳
先週末22日のいつもの楽しいワイン会です。
スモークして焼いた秋刀魚と播磨灘産の牡蠣のコンフィ、キャベツとレーズンとりんごのサラダ添えです。これには、寒ブリで有名な能登半島の氷見の魚問屋が経営するセイズファームという作り手のシードルのマグナム瓶でした。すっきり辛口で切れの良い酸味があって、こういう魚介料理にはばっちりですね!この会社自体が魚問屋ですので、鮮魚やカニその加工品などを扱っているので、自社製品にもお勧めなのだとか、、。納得のマリアージュでした。 新作、フォアグラ入りのテリーヌカンパーニュに焼いたキノコのサラダ添えです。これには、山梨県の旭洋酒のソレイユ・ロゼ。ピノノワール主体に甲州種メルロソーヴィニヨンブランをブレンドした辛口のロゼでした。甘い果実味と練れた熟成香があって、レバーやフォアグラの入ったテリーヌによく合いました。 秋鮭のポワレ、ムール貝のジュのクリームソースです。これには、北海道ワインの鶴沼ピノブラン2012でした。このワイン、一口飲んで皆さんが「美味しい!」と、、とてもうけが良いワインでしたね。透明感があり切れが良い酸味で、ミネラル感もあり柔らかい蜜香も感じられて、ムール貝の旨味と秋鮭のカリッとした皮としっとりした身の味わいによく合いました。 比内鶏の胸肉のポワレに鶏のジュ風味のポルチーニのソテーとフォアグラのソテー添えです。これには、フランスオーベルニュのピノノワール、ピュイ・ド・ドームでした。岩がごつごつしているようなひじょうな荒れ地で、ワインを作る人などほとんどいないようなところらしいですが、葡萄という植物は意外に荒れ地を好む習性があるので、岩盤質ならではのミネラリーなワインが出来たりします。かなり野生児の味わいのピノです。さらにこれに合わせて日本酒も、、秋田の春霞 特別純米 栗ラベル 雄町 火入れでした。これを45℃くらいの瓶燗で、、。このワイン会のメンバーは皆さん日本酒も好きなのでこれも大好評でした。温度的に酒の乳酸が旨味に感じられるようになることでこの酒の魅力を最大限に引き出したようです。この酒を残してもらって、しめのご飯に、、 栗と塩鮭の炊き込みご飯を合わせてみました。魚料理に使った秋鮭のカマや尻尾のほうを強塩で漬けて辛塩鮭にしたものを焼いてほぐして研いだ米にのせてポルトガル産の山栗と昆布をを入れて炊き上げたものです。味付けは少しの酒のみで、塩気は塩鮭の塩気のみです。これが、雄町にとんでもなく合うこと!米を食して米の酒を飲む!究極マリアージュでした!ちょっと、話は戻りますが、、秋田の比内鶏に秋田の春霞、その雄町の特別純米栗ラベルに栗のご飯という、、落ちまでついてお見事でした。(笑) 今回もいまでやの大塚氏のワインと酒のセレクトでした。いつもながら、料理との相性も良く、またワインや酒の説明も実に的確で、さらにグラスのサイズや抜栓のタイミングに酒のサービス温度などのアドバイスまで丁寧な仕事ぶりで助かりました。ワイン会のメンバーから、「いまでやに行けばその大塚さんがいるのか?」という問い合わせまでありましたが、残念ながら今彼は接客をする担当には当たっていませんと言ったら、残念がっていましたね。 最後に洋梨のクラフティがデザート。クラフティは卵に牛乳と生クリームと小麦粉を混ぜた生地で作るのですが、洋梨の時にはヴァニラビーンズとスパイスのクローヴとスターアニス(八角)を入れてちょっとエキゾチックな香りにすると美味しいんです。そんなクラフティにワイン会に参加したさかもとこーひーのさかもとさんがお土産に持ってきてくださったカフェノワールがばっちりのマリアージュ!特にスパイスを入れたことでさらにこーひーとの相性がアップしていましたね! さかもとさんがワイン会に参加されるときはたいてい何かこーひーをお土産にもって来てくださるんですが、なぜかいつも何の打ち合わせもしないのに用意していたデザートとぴったり合うんです。(笑うほど!)まあ、考えてみればさかもとさんも私も季節感というのをとても大切に考えてこーひーや料理を作っているから、どこかで感性がシンクロするんでしょうね、、。今回も和やかで楽しいワイン会でした。参加の皆さんありがとうございました! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 25, 2016 06:24:56 PM
|
|