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カテゴリ:cinema
人は死んだ時に、魂の重さ分の21グラムだけ体重が軽くなるという。
それは、ハチドリの重さ。 そしてチョコレートバー1個分の重さ。 人生は、結局、何かを起こしてしまった人、そのせいで何かを奪われてしまった人、その恩恵を授かってしまった人、 そういう残酷な連鎖によって当たり前に繋がっているが、嘆いてみても「それでも人生は続く」のだ。 この映画を観た後に、『ミスティック・リバー』を観た時の気分を思い出した。 暗い。 それも過去形的に暗いのだ。 観ていて痛々しくなるくらいに、やるせない気分になってしまう。 希望的に生きようと思っていても、降りかかってくる現実。 それに決断を下す人々の弱さと強さ。 こういったことは当たり前に日常にあることかもしれないけれど、 辛いのは、この映画に悪役や悪人がいないということだった。 ・・・といった映画のストーリーの暗い感想は、ちょっと脇に置いといて 以下、登場人物の感想です! まず、第一に心臓移植手術を受けないと1カ月の命という大学教授のボール役のショーン・ペン! 『ミスティック・リバー』の乱暴でキレる中年男性役でもかっこいいなーと思ったけれど、 今回のインテリで病人役も抑えた演技で、かっこいい! 特に、クリスティーナ(ナオミ・ワッツ)にじわじわと恋心を抱いていく様子なんて、 まるでストーカーみたいだったけれど、夢中になっていくキュンとした感じ、とくによかった。 『I am Sam 』のときは、本当に6歳の知能のままの中年役を本当にそうであるかのように ハマって演じていたのと比べると、今回の21グラムはまさに対極の役柄。 うまい。 本当にいい俳優なんだな~とつくづく思いました。 そして、クリスティーナ(ナオミ・ワッツ)の夫と娘2人をひき殺してしまったジャック役のベニチオ・デル・トロ! 出てくるだけで、すんごいド迫力! 何かいつも苦しいくらいに重たくて、苦悩に満ち溢れてヨレヨレした感じ、 怖いくらいの存在感でした。 ジャックの役は、刑務所の出所退所を繰り返している、前科のある男性。 でも今は信仰に生きがいを見出して、暮らしは貧しくとも、小さな子供2人と奥さんと静かに暮らしている。 どうして、ジャックにだけ悪いことが起こり続けるのか。 神様はどこまで、人を試すのか。 私まで、キリスト教のあり方を考えさせられてしまうデル・トロの役どころでした。 それから、夫と2人の幼い娘と幸せな生活を、デル・トロが起こした事故で奪われてしまったクリスティーナ役のナオミ・ワッツ。 私は、ナオミ・ワッツはあまり好きなタイプではないけれど、 やっぱ演技はうまいな~と感じたし、静かで落ち着いたイメージがこの役にはよかったかもしれない。 途中、途中でヒステリックに泣きわめくシーンは、役柄とはいえ、結構ウンザリしてしまったのは 私だけではないかもしれません(汗)。 私の勝手な憶測なんだけど、 役柄的に、昔は悪いお嬢さんだったけど、インテリで中流階級の建築家のだんなさんと結婚して、 子供も2人産み、やっとこれから運が向いてきたかな~ と思っていたところに、全てを失われてしまった。 そして、またもとのヤサグレた生活に戻りそうになってしまう、という、転落の渦中にある人物のようで どうも、感情移入できなかった。 それが、普通の人の普通の人生なんだろうけど、ちょっと他力本願な気もしたりして。 私には、あまり好みな生き方じゃなかったから、ナオミ・ワッツだけは、うざったい気分が残りました。 そして、生意気シャルロット! ショーンペンと愛のない結婚生活を送っている妻メアリー役のシャルロット・ゲンズブール! 役的には、どうしようもない役なんだけど、やっぱりフランスの女優(笑)。 表情がとってもキュートで、着てる洋服も普段ぽくてシックでかわいい! なんだかわかんない艶っぽさがにじみ出ていて、私は好きでした。 21grams お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 21, 2004 10:06:38 AM
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