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2007.09.23
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カテゴリ:音楽
現代音楽、というものをあえて好んで聴くことは少なく、
わざわざCDを買って、、ということもまあ正直ありません。
超有名どころで、音楽好きとはいえない文化人からも人気の
武満徹さんの音楽も、なので、それほどよく知りません。
TVで見かけるコンサートのライブにたまに含まれたら、
「なんとなく」聴く(観る)というくらいです。
基本、旋律やリズムによらない音楽は(響きってことですね)、
ナマでないと、なかなか、たのしみにくい、、
というのが僕の今のところの印象です。

ナマで接する機会が結構あるのが、合唱曲ですが、
もう、この世のものとは思えないほど、美しく、
しかもなんともいえない「現代的」な感覚が
他では得られない体験をもたらしてくれます。
僕の数少ない「武満体験」のうち、
有名作曲家だからとか関係なしにゆさぶられたもののほとんどは、合唱のコンサートで出会った曲が多いです。
でもまたあまりに美しくて微妙すぎて、
録音で聴くとまた違う、、んやなあ、、と思ったり、
なかなか、「ナマモノ」ですね、音楽は(も)。


しかし、武満徹、芸の幅がとても広く、「前衛」を思わせるような曲から、リズムや響きはもちろん、メロディでも
独特の美しさを提供してくれるものがあるようです。
亡くなる直前に、「歌謡曲」を書いて、石川セリさんに歌ってもらったCDを出されたのは有名な話ですが、いまだに聴いたことがありません。
数多くの映画音楽やドラマの音楽を書かれたこともかなり有名ですね。

今日、札幌交響楽団のライブを、NHKのFMで特集してくれました。バルトークやマーラーに並べて、武満徹の作品を演奏した模様を放送してくれています。
FMをゆっくり聴くことも、結構ひさしぶりです。
放送のよいところは、自分が「コレを聞こう」と思ってないものでも、ふとした「出会い」があること。。
もちろん、ただ流れていって、全く憶えてない、、ということもあるわけですが。

今日は、猛暑のお彼岸、、、
ひとごこちの中で、
ちょうど、札幌交響楽団のライブが家でまとめて聴ける!!
と喜んで放送を流していました。

大阪でずっと前に、リサイタルを聞きに行くことができた、
廣狩さんのヴィオラもしっかり聴けたり、
結構贅沢なプログラムです。
そのヴィオラも曲もそうだったのですが、
武満徹の作品をいくつか放送してくれました。

そのなかで、「波の盆」という曲、
大分前のテレビドラマの付随音楽として作曲されたものだそうで、
確かに、美しく、懐かしく、耳あたりのよい、前に出過ぎない、でもなにかどうも「武満らしい」そんな曲です。
あとで調べて、倉本聡の脚本のドラマと知ってしまって、ちょっとこの音楽の「完成された、そして方向性の明確な美しさ」に、少々ひっかかるものが生まれてしまったのではありますが(個人的には「ドラマ的なドラマ」を作ろうとしている姿勢と目線が見える気がしてちょっとニガテな脚本家の先生、という印象があります。あまりにきれいに完成されているような。DECCAの録音に近いかな。)、
しかし、本当に、耽美的で陶酔的ともいえる美しい曲です。
メロディは平易で複雑ではなく、美しさと懐かしさをのみ表現しようとするかのようにひたすらきれいです。
自身無類の映画好きで、かつ映画音楽のベテランでもあった武満徹が、映像作品のなかでの「音楽の立場」を熟知したうえで、抜群のバランス感覚で、聴く者を手招きしてくれている、そんな優しさにも満ちた曲のようです。
(ちなみに、武満徹氏は、以前「オーケストラがやってきた」で、自分は常に聴き易い曲を作曲してるつもりだ、と答えてはおられましたが。たしかにナマで触れないと、、って、このところ思ってはいます。)

で、この曲、
ドラマの付随音楽ですから、この「メインテーマ」以外にも多く作曲してるようで、ドラマのDVDでも見るか(笠智衆主演のドラマだそうです)、「サントラ」を買うか、
とにかく、一度、「つづき」に触れてみたくなる、
そんな美しい曲に、出会わせてくれました。


PS 森田美由紀アナウンサー・・・
ところで、森田美由紀アナウンサー、声といい表情といい、また、インタビューなどで見せる上品で知的でバランスのとれた人柄といい、大ファンだったのですが、札幌局へ行っておられたのですね。
TVやFMの音楽番組でも、たまに、声がキンキンしたり、妙に強調したりする箇所がとっちらかってたりということがあるとそれだけで、もう聴かなくなったりするのですが、今日は随分おちついて、しかもバランスとれて聴けるなあ、、と思っていたら、森田美由紀アナウンサーだったのですが、最後に札幌局の、、とおっしゃって、しばらく全国放送ではお会いできないことがとても残念に思いました。
どうせなら大阪局にきてくれればよかったのですが、大阪局は、札幌ほど、文化が盛んじゃないから(反東京の機運はあるけど、ものすごい「メジャー」優先なので結局東京流行モノが売れる、、または、地元に定着してないのに、一部の局か外注会社か役所に売り込まれたものをとりあげるか、みたいな。あと「大阪がすきやねん」みたいな、、、。局というより街の性格かも。)森田美由紀アナウンサーにとっては良い職場に行かれたというべきなのでしょう。でも地方に居るものとしては、また全国へ戻ってほしいです。。。
文化で落ち着いて見せていただける筆頭が、森田美由紀アナウンサーと、黒崎めぐみアナウンサー、教養文化では小野文恵アナウンサーと松本和也アナウンサーと三宅民夫アナウンサーというのが、NHKのラインナップです。
(後藤美代子アナウンサーが懐かしい)





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Last updated  2007.09.23 20:02:15
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