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カテゴリ:ミュージカル、観劇
※舞台映像の紹介を追加しました。 こちらからご覧になれます。(ホリプロのサイトより)
作曲・アンドリュー・ロイド=ウェバーの新作の日本上陸です。 『キャッツ』や『オペラ座の怪人』など、既に彼の楽曲の作品を観たことがある方も多いと思いますが、今回の『ウーマン・イン・ホワイト』は、日本の、ホリプロ独自のバージョンということで、特に期待が大きかったのではないでしょうか。 演出は、ミュージカル『ピーター・パン』で演出・潤色・訳詞を手掛けた文学座の松本祐子です。 19世紀のイギリスが舞台。 ローラ(神田沙也加)の莫大な遺産を目当ての結婚が招く陰謀と、それを暴く父親が違う姉のマリアン(笹本玲奈)、そして彼女を支えるのは姉妹が想いを寄せる青年画家ウォルター(別所哲也)。 彼女たちの前に突然現れて、ローラとパーシヴァル卿(石川禅)の結婚を危険なものとして警告する白いドレスを着た女性アン・キャスリック(山本カナコ)。 アンの存在をなぜパーシヴァル卿が恐れるのかなど、一つひとつ事件が紐解かれる小説の面白さを備えたミュージカルです。 原作は日本語の翻訳でも1000ページに及ぶ大作です。 ミュージカルではおよそ2時間半に凝縮して、全てが登場人物の感情を表わす歌に委ねられています。 この作品ではリフレインが多く用いられていますが、曲調が変わった時、登場人物の心の変化として観客の心に訴えかけるものがありました。 活発とはいえ、良家の子女の立場からしか意見したことがなかった女性マリアンが、ローラを守り抜くためにする決意、そしてその意思のままに行動を起こしていく。彼女の心の変化、強さが作品の中心にあります。 さてこの作品にはパーシヴァル卿の友人、イタリア人のフォスコ伯爵が登場します。 60歳に近いのに小説ではマリアンをも魅了する陽気で女性を尊重する紳士。 小説ではイメージし難かったのですが、舞台では上條恒彦にその魅力をたっぷり具えて描きました。 ローラの叔父フレデリック・フェアリー(光杖明彦)の自己中心的な老人像も然り。 観劇後に日本のキャストを思い浮かべながら小説を読むのも面白そうです 別所哲也の伸びやかな歌声が、ウォルターの誠実さを物語っていたのが印象に残ります。 作曲・アンドリュー・ロイド=ウェバー、作詞・デヴィッド・ジッペル、脚本・シャーロット・ジョーンズ 演出・松本祐子、翻訳・訳詞・滝真知子、音楽監督・指揮・塩田明弘、美術・堀尾幸男、照明・小川幾雄、衣裳・小峰リリー ※公演詳細は公式サイトで。(TOP PAGEをクリックすると音楽が流れます) (青山劇場にて) ☆作・ウィルキー・コリンズ「白衣の女」上・中・下巻 岩波文庫 このミュージカルの原作本です。 ☆こちらは、洋書です。 ☆海外版ミュージカルのプロモーションビデオなんていうのもあります。(ダウンロード) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.11.21 18:36:25
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