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カテゴリ:コンサート、舞踏、オペラ
![]() 演出は、文学座の鵜山仁。この劇場の演劇芸術監督でもあります。 芝居の『カルメン』は過去に2作品観たことがありますが、オペラでの観劇は初めてでした。 そうはい言っても、ビゼーの有名な楽曲は、どの場面でも聴いたことがあるものばかり。 リフレインされる曲の、その場面の状況によってアレンジされているところを興味深く聴いていました。 煙草工場で働く町の男性の憧れの的、カルメン(マリア・ホセ・モンティエル)の愛憎の物語。 カルメンの満更でもない態度に、伍長のドン・ホセ(ゾラン・トドロヴィッチ)は見境なく彼女に溺れていきます。 そこに颯爽と現われた闘牛士のエスカミーリョ(アレキサンダー・フィノグラードフ)。彼はカルメンを一目で気に入り、彼女もエスカミーリョに心が傾き始めます。 次第に人生を転落していくホセ。 タロットカードの占いは、カルメンの「死」と出ますが、果たしてその行方は・・・。 小説の戯曲化よりも、オペラでは登場人物のインパクトの強さが人物の相関関係を浮き彫りにしており、より演劇的に作品を鑑賞することができました。 ふと、舞台の貴婦人に目が止まりました。そして、エスカミーリョが従えている闘牛士にも。 文学座の松岡依都美と松角洋平です。 異国の地で知人と出会った感覚で、舞台の彼らの役割を眺めていました。 プログラムを読むと、この作品では、登場人物を演じるオペラ歌手、群衆を演じる合唱の歌い手(子役として少年少女合唱団も参加しています)、そして舞台の人物により深みを見せる俳優、ダンサーと、様々な分野の人々が参加しているのがわかります。 主役のカルメン以外に聴衆に指示されていたのは、ホセに想いを寄せるミカエラ(大村博美)。 バリトンの闘牛士エスカミーリョ役アレキサンダー・フィノグラードフもなかなか魅力的です。 彼の舞台写真は売り切れるほどで、女性の観客の休憩時間の話題は、新国立劇場初登場の彼の話で持ちきりでした。 チケット代金は海外から招聘して上演される作品より安価に設定されているので、しばらくはここ新国立で作品の知識をつけたいと思います。 作曲・ジョルジュ・ビゼー、台本・アンリ・メイヤック、リュドヴィック・アレヴィ、原作・プロスペル・メリメ 指揮・ジャック・デコラート、演出・鵜山仁、美術・島次郎、衣裳・緒方規矩子、照明・沢田祐二 (新国立劇場 オペラパレスにて) ※公演詳細は新国立劇場のサイトで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.12.09 22:41:00
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