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カテゴリ:演劇、観劇
『恐怖・ハト男』『愛とその他』
など、作・加藤一浩のナンセンス感が漂う中に、現代の若者の感覚が反映されているようなその作風にある意味魅せられています。 今回はその作家の作品が「加藤一浩作品集」と題して4本が一挙上演されているのをご紹介します。 観たのはそのうちの1本『門番の秋』。 日常の短い世間話が交わされるその様は、互いに関心があるのかないのか。 現れては去り、また現れるその軌跡は、心の迷いにも見えて切なさを感じました。 長い沈黙の間、登場人物の顔をじっと見つめても、その胸の内を表情からうかがい知ることはできません。 そこに現代社会の心の壁を感じたり、突拍子もない問いかけに思い出したように返される答えに、本当は寂しい者同士なのかと推測してみたりします。 そのアンバランスな意外性が胸を熱くしました。 一つの作品にいくつかチームがあります。 目の前にある沈黙、そして言葉が発せられるタイミング、それが一つひとつどんな関係を生んでいくのか、大きく言うとこれここそ演劇の醍醐味です。 劇場は下北沢のザ・スズナリのすぐ隣にあるシアター711。 小さな空間ですが、椅子がすごくいい。 座り心地がいいです。 1日3作品が上演されていますが、通しで観ても疲れ知らずかもしれません。 4作品全て観た方には『命を弄ぶ男ふたり』(作・岸田國士、演出・柄本明、出演・柄本明・山地健仁)の公演観劇無料(最終公演日は10/1)など、企画の心意気も面白い東京乾電池です。 作・演出・加藤一浩 ※公演の詳細は、東京乾電池のサイトで。 (下北沢 シアター711にて) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.11.25 00:16:41
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