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《櫻井ジャーナル》

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2014.04.14
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 ジョン・ブレナンCIA長官が4月12日にキエフを極秘訪問、暫定政権に指示を与えたとロシアで報道された。CIAのトッド・エビツ報道官はブレナンの訪問についてのコメントは拒否したが、長官は外交的な解決を望んでいると発言している。つまり、ブレナンがキエフ入りし、暫定政権側と協議したことは間違いないようだ。

 ウクライナにおける一連の出来事を見ていれば、ネオコン(親イスラエル派)が混乱、そしてクーデターを仕掛けたことは明らか。最前線で指揮しているのはビクトリア・ヌランド国務次官補であり、ジョン・マケイン上院議員も反ビクトル・ヤヌコビッチ政権派を煽っていた。

 この問題で「西側」が避けている重要な点は、ヤヌコビッチが選挙を経て大統領になった人物だということ。この合法的に成立した大統領を「西側」の「国境なき巨大資本」の傀儡がネオ・ナチを使ったクーデターで倒して実権を握り、憲法を無視して暫定政権を名乗っているわけである。暫定政権で首相代行を名乗るアルセニー・ヤツェニュクをヌランド国務次官補はクーデターの前から高く評価していた

 暫定政権が憲法に違反して「成立」したことは明らかで、この政権を正当化する人びとが「護憲派」のはずはなく、日本国憲法の第9条を云々するのは奇妙な話。これ以外にも「国境なき巨大資本」にとって都合の悪い情報、事実を隠し、漏れると「嘘だ」と言い張る人たちもいる。日本のマスコミはそうした話を垂れ流す。さすが、原発の安全神話を広めただけはある。

 クーデターで成立した政権である以上、国の機関を利用するためには、恐怖を作り出す「腕力」が必要。官僚を屈服させる必要があるということだ。クーデターの直後、右派セクターを率いていたひとりのアレキサンダー・ムージチコらが検察官事務所に押しかけてスタッフに暴力を振るったり、武装解除を求めてきた暫定政権の人間を恫喝していた。少なからぬ反クーデター派の人びとも襲われている。後にムージチコは警官に射殺されているが、警官を派遣したのは内相だ。コントロールの難しい人物を「御役御免」で処分したということだろう。

 キエフの状況が一気に悪化、市街が火と血の海になったのは2月22日から。屋上から反ロシア派や警官隊、双方が狙撃されて少なからぬ死傷者が出たのだ。この出来事に関してエストニアのウルマス・パエト外相は25日に調査、翌日にはEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ次のように報告している:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解」があり、「新連合はもはや信用できない」と言っている。

 リビアやシリアでも体制転覆を目指す勢力はスナイパーを使って混乱させていた。狙撃だけでなく、旅客バスや警察のバスが吹き飛ばされ、パイプラインや橋が爆破されたことをアラブ連盟の調査団も2012年に報告している。

 キエフのクーデター政権で軍事部門を統括しているのは国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の書記に就任したアンドレイ・パルビーだと見られている。1991年にオレフ・チャフニボクとネオ・ナチの「ウクライナ社会ナショナル党(2004年にスボボダへ党名を変更)」を創設、今回のクーデターでは指揮官としての役割を果たし、警官を殺傷した人物だ。

 治安機関のメンバーは命の危険を感じてロシアへ保護を求めたようだが、軍の内部でもこうした人物を快く思わない将兵は少なくないだろう。反クーデター派の鎮圧命令を拒否した特殊部隊アルファの指揮官もいたという。つまり、反クーデター派にはウクライナの軍人や治安機関の人間が参加している可能性が高く、当然、統率がとれているはず。

 そこで登場するのが傭兵。アメリカの傭兵会社アカデミ(旧社名はブラックウォーター)系列のグレイストーンから数百名の単位で要員がすでに派遣されていると言われ、セルゲイ・ラブロフ露外相によると、約150名の傭兵がウクライナのソコル(特殊機動警察)の制服を着て活動しているという。十分にありえる話だ。

 キエフの作戦で反クーデター派に死傷者が出てくると、治安機関や軍からの離脱者が反クーデター軍を編成して対抗する可能性もある。そうなると内戦だ。





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最終更新日  2014.04.14 21:30:25



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