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《櫻井ジャーナル》

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2015.01.14
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 国際的な投機家として知られるジョージ・ソロスが1月12日にウクライナの首都キエフを訪問、ペトロ・ポロシェンコ大統領らと会談した模様だ。ソロスはウクライナ経済を立て直すためにEUへ支援を求め、欧米で500億ドルを投入すべきだとしている。

Soros

 ウクライナの財政がここまで悪化した最大の理由は、2004年から05年にかけての「オレンジ革命」にある。この「革命」で実権を握った親欧米派はボリス・エリツィン時代のロシアと同様、「私有化」や「規制緩和」を唱えながら国民の資産を格安の条件で手に入れ、巨万の富を一部の人間が手に入れて「オリガルヒ」と呼ばれるようになる。その一方で大多数の庶民は貧困化、財政も破綻状態になった。そうした政策への反発が2010年の大統領選挙でビクトル・ヤヌコビッチを勝利へ導いた一因だ。

 財政を立て直すため、ヤヌコビッチは良い条件を出してきたロシアと手を組もうとしたのだが、EUへの憧れが強い西部の人びとや西側の巨大資本を後ろ盾にして略奪を目論む人びとは怒り、昨年2月23日に憲法の規定を無視する形でヤヌコビッチは解任されてしまう。

 2013年12月13日、反ヤヌコビッチ行動が展開される中、アメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補が米国ウクライナ基金の大会で明らかにしたところによると、アメリカは1991年からウクライナを支援するために50億ドルを投資済み。こうした投資はウクライナをアメリカの巨大資本にとって都合の良い体制へ作り替えるためのもので、「オレンジ革命」もそうした目的で実行されたわけだ。

 クーデターの実働部隊はアメリカ/NATOから軍事訓練を受けたネオ・ナチ(ステファン・バンデラの信奉者)。例えば、2004年からバルト3国に設置されたNATOの訓練施設で軍事訓練を受け、13年9月にはポーランド外務省からクーデター派の86人が大学の交換学生として招待され、ワルシャワ郊外にある警察の訓練センターで4週間にわたって暴動の訓練を受けたという。

 こうしたネオ・ナチ勢力で中心的な役割を果たしていると見られているのは3人。ウクライナ、イスラエル、キプロスの三重国籍を持つオリガルヒでドニエプロペトロフスクの知事を務めるイゴール・コロモイスキー、クーデターで司令官的な役割を果たし、国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の議長に就任したアンドレイ・パルビー、右派セクターのリーダーで国家安全保障国防会議の副議長に選ばれたドミトロ・ヤロシュだ。

 首相を務めているアルセニー・ヤツェニュクは銀行出身で、クーデターの前からヌランドに高く評価されていた。彼女がジェオフリー・パイアット駐ウクライナ大使と電話でウクライナの閣僚人事について話し合っている音声が昨年2月4日、YouTubeへアップロードされているのだが、その中でそうした発言がある。

 昨年末からキエフ政権はアメリカの属国化がさらに進んだ。金融大臣と就任しのはシカゴ生まれでアメリカの外交官だったナタリー・ヤレスコ。2004年から05年にかけて実行された「オレンジ革命」でビクトル・ユシチェンコが大統領に就任すると、その顧問として働いている。経済大臣に就任したのはリトアニアの投資銀行家だったアイバラス・アブロマビチュスで、保健相にはグルジアで労働社会保護相を務めたことのあるアレキサンドル・クビタシビリが就任した。この3人は大臣に就任する直前にウクライナ国籍を取得している。

 ロシアのソチでオリンピックが開かれるタイミングで行われた反ヤヌコビッチ行動を話し合いで解決しようとしていたEUにヌランドは腹を立て、「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」という言葉が飛び出す。西側メディアは表現が下品だという点に焦点を当てていたが、問題はアメリカ政府の高官がウクライナの次期政権の閣僚をどうするかについて話し合い、暴力的に政権を転覆させようとしている点にあった。西側のメディアは見て見ぬ振りをしたわけだ。

 現在、EUは好戦的な政策が自分たちを破滅させることに気づき、ロシアへの敵対的な姿勢を止めようとしている。フランスのフランソワ・オランド大統領、そしてロシア嫌いで有名なドイツのアンゲラ・メルケル首相でさえ、反ロシア政策に否定的な発言をしている。

 しかし、ソロスは西側がロシアと戦争状態にあるとし、市民生活を犠牲にして軍事部門へ資金を集中させるべきだとしているようだ。すでにIMFから借りた資金は東/南部での民族浄化作戦に投入しているわけで、この政策を続けようということなのだろう。

 彼らが考えていることは、庶民に「欲しがりません勝つまでは」を要求、戦争ビジネスを儲けさせるということに留まらず、クライナを制圧してロシアを支配することで世界支配の体制を確立できるとソロスたちは考えている可能性が高い。アメリカ巨大資本の「興廃此の一戦に在り」といった心境なのだろう。





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最終更新日  2015.01.15 12:36:32



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