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《櫻井ジャーナル》

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2018.12.04
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 ところがジョージ・H・W・ブッシュの息子、ジョージ・W・ブッシュの政権はネオコンが主導していた。この政権は2003年3月にイラクを先制攻撃、サダム・フセイン政権を倒した。親イスラエル体制の樹立を目論んだのだが、失敗に終わる。その後、イラクはイランとの結びつきが強くなり、ロシアへの接近につながった。

 2006年にイラクの首相になったヌーリ・アル・マリキが率いる「法治国家連合」は2014年4月の選挙でも勝利したが、選挙前の3月に彼はサウジアラビアやカタールを反政府勢力へ資金を提供していると批判、その一方でロシアへ接近していた。ロシアのウラジミル・プーチン大統領はマリキを支援すると表明している。そこでアメリカは首相選定に介入、マリキは外されてハイデル・アル・アバディが選ばれる。

 マリキの批判はダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の売り出しを感じてのことだったかもしれない。2014年1月にファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月に攻勢をかける。この際にヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が配信されて名前は世界に売られた。

 こうしたダーイッシュの動きを偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などでアメリカの軍や情報機関は把握していたはず。ところが何もしていない。マリキの批判はそうした動きを知ってのことだろう。

 アメリカ軍の情報機関​DIAは2012年の段階でサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)がバラク・オバマ政権の政策によって勢力を拡大、東部シリア(ハサカやデリゾール)に彼らの支配地域が作られると警告​していた。そのときのDIA長官がマイケル・フリン中将だ。その警告がダーイッシュという形になって現れたわけだ。


 ISISは英語の略称で、「イラクとシリアのイスラム国」を、またISILは「イラクとレバント(地中海の東部沿岸地方)のイスラム国」を意味する。サラフィ主義者はシリアとイラクをまたぐ支配地域を作り上げたのだ。こうした地域が出現したのはオバマ政権の政策によるとフリンはアル・ジャジーラの番組で明言しているが、これは事実である。2014年にアメリカの軍や情報機関がダーイッシュを攻撃しなかったのは当然なのだ。(つづく)






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最終更新日  2018.12.04 21:00:08



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