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《櫻井ジャーナル》

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2019.06.22
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 オマーン湾でアメリカ海軍の無人偵察機MQ-4C トライトン(RQ-4 グローバルホークのアメリカ海軍向けドローン)が撃墜された際、哨戒機のP-8 ポセイドンも一緒に飛行していたのだが、P-8は撃ち落とさなかったとIRGC(イラン革命防衛隊)を指揮するアミル・アリ・ハジザデは記者に語っている。警告としては無人機の撃墜で十分だと判断したのだという。

 MQ-4Cは6月20日に撃墜されたのだが、その前、6月13日に2隻のタンカーがオマーン湾で攻撃を受けている。日本の国華産業が運行する「コクカ・カレイジャス」(パナマ船籍)とノルウェーのフロントラインが所有する「フロント・アルタイル」(マーシャル諸島船籍)だ。

 その直後にアメリカ中央軍は「コクカ・カレイジャス」から機雷を除去している「イランの船員」の様子を撮影したとする映像を公開したが、国華産業の堅田豊社長は6月14に開かれた記者会見の席上、攻撃の際に乗組員が「飛来物」を目撃していたことを明らかにし、「間違いなく機雷や魚雷ではない」としている。

 アメリカ中央軍、あるいはホワイトハウスのマイク・ペンス副大統領、マイク・ポンペオ国務長官、ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官を含む好戦派はドローン撃墜より前からイランに対する攻撃を目論んでいた。これは国連の内部でも流れていた話だ。戦争はそのように都合良くコントロールできない。そうしたことを理解している統合参謀本部は開戦に反対しているようだ。

 そうした反対の声をタンカー攻撃で封じようとしたのかもしれないが、「イラン実行説」はすぐに崩壊してしまった。そして今回の撃墜だ。

 この撃墜を受け、ドナルド・トランプ米大統領はイランに対する報復攻撃を承認したとニューヨーク・タイムズ紙は伝え、それを西側の有力メディアは拡散しているが、トランプが本当に攻撃を承認したかどうかは不明。ターゲットはイランのレーダーやミサイル施設だというが、たとえ「限定的」な空爆を意図していたとしても、思惑通りに進まないのが戦争である。

 RQ-4/MQ-4Cは偵察機U2の役割を引き継ぐ目的で開発されたとも言われている。アメリカの好戦派がソ連に対する先制核攻撃計画を作成、その準備を進めていた1950年代後半にソ連上空を偵察飛行していた。ソ連がキューバへ中距離ミサイルを運び込んだことを1962年10月に確認したのもU2だった。

 アメリカ側の先制核攻撃へ報復するため、ICBMの開発で後れをとっていたソ連は中距離ミサイルをアメリカに近いキューバへ配備したのだと見ることができる。

 ソ連の周辺にミサイルを配備していたアメリカだが、キューバへのソ連がミサイル配備したことがわかると激しく反応、開戦を主張するグループも現れた。(1950年代から先制攻撃を計画していたのだが。)そして1962年10月27日にU2がキューバ上空で撃墜され、同じ日にシベリア上空で別のU2をソ連のミグ戦闘機が迎撃している。

 この報告を受け、ロバート・マクナマラ国防長官はU2の飛行停止を命令したが、その後も別のU2がソ連の領空を侵犯していた。ジョン・F・ケネディ政権は軍やCIAの好戦派をコントロールしきれていなかったのだ。(Richard J. Aldrich, "The Hidden Hand," John Murray, 2001)

 ケネディ政権では軍、CIA、FBIの中に「組織内組織」が形成され、政権の政策を無視して動いていた。フランクリン・ルーズベルト政権でもそうした動きがあり、ナチスの残党などが救出されている。ルーズベルトが1945年4月に急死した後、そうした反ルーズベルト派(ウォール街)がホワイトハウスの主導権を奪還した。

 ドナルド・トランプ大統領がケネディ大統領より政権内で強い立場にあるとは思えない。






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最終更新日  2019.06.22 14:14:10



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