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《櫻井ジャーナル》

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2020.01.19
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 イラク政府は​ロシア製防空システムS-300を購入するための交渉​をロシア政府と進めているとイラン駐在イラク大使が1月13日に語ったという。アメリカ政府はS-300を購入したなら制裁すると恫喝しているが、それを無視した動きだ。イラク側はアメリカへの信頼感をなくしている。

 ノウリ・アル・マリキ元イラク首相によると、2013年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)が売り出される直前の2013年にその部隊がシリアとイラクの国境沿いに集結していることを示す航空写真などをアメリカは彼らに示していたという。

 マリキは2006年から14年にかけて首相を務めたが、遅くとも2011年の段階でアル・カイダ系武装グループ、つまりジハード傭兵の動きを懸念していた。そこでアメリカ政府に対し、F-16戦闘機を供給するように要請、契約に漕ぎ着けている。

 しかし、その戦闘機は納入されなかった。新たな支援要請もアメリカから断られ、ヘリコプターの部品なども手に入らなくなったという。

 遅くとも2007年の段階でアメリカ政府はサダム・フセイン政権の残党を含む武装グループと手をくんでいる。​調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュ​は2007年3月5日号のニューヨーカー誌に、シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラを最大の敵だと定め、スンニ派の過激派と手を組むことにしたと書いているのだ。

 マリキ政権は2013年6月、ロシアに支援を要請して受け入れられ、数日のうちに5機のSu-25近接航空支援機がイラクへ運び込まれた。急な要請だったこともあって不十分ではあったが、この一件でロシアに対する信頼感は高まっただろう。

 2014年4月に行われた議会選挙でマリキを党首とする法治国家連合が勝利したものの、フアード・マアスーム大統領はハイダル・アル・アバディを指名した。ロシアへ接近しているマリキを嫌ったアメリカ政府の意向だと言われているが、そのアバディも、そして現首相のアディル・アブドゥル-マフディもマリキと基本的に同じ道を歩む。

 イラクの議会は1月5日、同国内に駐留している外国の軍隊は国外へ出るように求める決議を採択した。アメリカ軍は出て行けということだが、イラク側の意思をアメリカは拒否、居座るとしている。そのアメリカから武器/兵器を購入する愚かさをイラク人は理解している。

 昨年7月、トルコのフルシ・アカール国防相はアメリカのマーク・エスパー国防長官に対し、S-400は選択の結果ではなく、必要なので買うのだとしている。トルコにしろイラクにしろ、アメリカは自国にとって脅威になっている。

 ありそうにないことだが、もし日本に自立した政権が誕生してアメリカ軍に出て行くように求めた場合、同じ問題が立ちはだかるはずだ。






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最終更新日  2020.01.19 19:31:48



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