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アメリカと中国の外交責任者がアラスカのアンカレッジで3月18日と19日の予定で会談している。アメリカ側の要請だったという。アメリカからはアントニー・ブリンケン国務長官と国家安全保障補佐官のジェイク・サリバンが、中国からは中央外事活動委員会弁公室の楊潔篪主任と王毅外交部長が出席した。 ブリンケンたちは中国を脅すつもりなのか、新疆ウイグル自治区、南シナ海、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を問題にし、冒頭から激しいやりとりがあったようだ。いずれも本ブログで繰り返し取り上げてきたテーマである。 新疆ウイグル自治区は「一帯一路」のうち陸のシルクロードで重要な場所にあり、約1000万人のイスラム教徒が住んでいる。その新疆ウイグル自治区で約100万人のウイグル人が再教育キャンプへ送り込まれ、約200万人が再教育プログラムに参加させられていると「人種差別削減委員会」のゲイ・マクドーガルは発表しているが、その情報源はCHRD(中国人権防衛ネットワーク)。CHRDの情報源は8名のウイグル人である。 CHRDと並ぶウイグル問題の情報源はキリスト教系カルトの信者であるエイドリアン・ゼンズ。「神の導き」でコミュニズムと戦っているという人物。「コミュニズムの犠牲者記念基金」でシニア・フェローとして中国問題を研究していた。 この基金を創設したのはレフ・ドブリアンスキーとヤロスラフ・ステツコ。ステツコはウクライナのナショナリストOUNの幹部。第2次世界大戦中にはナチスと関係があり、1946年にはイギリスの情報機関MI6のエージェントになった。ABN(反ボルシェビキ国家連合)の議長にも就任している。 ABNは1966年にAPACL(アジア人民反共連盟/後のアジア太平洋反共連盟)と合体、WACL(世界反共連盟)になった。WACLはその後、WLFD(自由民主主義世界連盟)に改名された。 ゼンズが「100万人説」の根拠にしているのは亡命ウイグル人組織がトルコを拠点にして運営している「イステクラルTV」。そこに登場するETIM(東トルキスタン・イスラム運動)のメンバーが情報源だ。このETIMはアメリカ政府や国連の安全保障理事会もアル・カイダ系だとしていた。その政治フロントがTIP(トルキスタン・イスラム党)だ。 信用できる情報とは言えない。西側の有力メディアは自分たちで責任を取りたくないのでマクドーガルやゼンズを使っているのだろう。イラク、シリア、リビアなどでも同じ手法を使っていた。 南シナ海は「海のシルクロード」の東端で、中国の物流にとって重要な場所。明治時代からイギリスやアメリカは日本列島から台湾にかけての弧状列島を中国やロシア/ソ連を封じ込め、侵略する拠点にし、日本人を傭兵と見なしてきた。COVID-19の感染が武漢から始まったとする説に根拠がないことも本ブログで繰り返してきた。 勿論、アメリカにとって、こうしたことはどうでも良いのだろう。問題は中国とロシアを締め上げ、征服し、略奪することにある。ブリンケン長官は3月15日にロイド・オースチン国防長官と日本を訪問、茂木敏充外相や岸信夫防衛相に会っている。その際、ブリンケン国務長官は中国の「威圧的で攻撃的な姿勢」を批判していた。日本もアメリカの対中国政策に無縁ではない。オースチン国防長官は3月18日、アメリカ軍は「今夜にでも攻撃する準備ができている」と朝鮮を脅した。 中国とアメリカの外交責任者がアンカレッジで会談、オースチン国防長官が朝鮮を脅した3月18日、中国外務省はロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が中国を訪問、3月22日と23日に王毅外交部長と会談すると発表した。アンカレッジにおける会談がテーマになるだろうが、アメリカに対する牽制という意味もあるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.03.20 06:00:05
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