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《櫻井ジャーナル》

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2022.10.27
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 ​ウクライナでの戦闘を外交的に終結させるため、ロシアと直接話し合うよう求めるジョー・バイデン大統領宛ての書簡をアメリカの下院議員30名が10月24日に公表​したが、それが民主党幹部の逆鱗に触れたようで、その​翌日に議員は取り下げた​。バイデン政権はロシアとの間で核戦争の可能性がさらに高まることを望んでいる。














 短期的に見ると、ドンバス(ドネツクとルガンスク)で戦闘が始まったのは2014年2月にクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権が倒されたあと。オバマ政権がネオ・ナチを使い、実行したのだ。その時に現場で指揮していたのがビクトリア・ヌランド国務次官補。彼女とクーデター政権の閣僚人事について話し合っていたのは、ウクライナ駐在のジェオフリー・パイアット大使だ。

 バラク・オバマ大統領に任期が終わる2016年の8月、大使はパイアットからマリー・ヨバノビッチへ交代になる。彼女は2019年5月まで大使を務めた。

 その​ヨバノビッチがドナルド・トランプが大統領だったならバイデンのように立ち上がることはなかったと考えているとインタビューで語る映像​が今年4月22日に公開された。彼女はトランプがNATOを嫌っていると指摘、ウラジミル・プーチン露大統領と話し合いで問題を解決してしまったかもしれないとしているが、勿論、そうした事態を彼女は望んでいない。当然、トランプが大統領だったならキエフのウォロディミル・ゼレンスキー政権に対する軍事支援はしなかっただろうということであり、そうしたことを彼女は恐ろしいことだと考えているようだ。

 ヨバノビッチに限らず、バイデン大統領や彼の仲間はウクライナでの戦争を望んでいる。彼女がインタビューを受けた当時、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー政権がドンバスへ送り込んだ軍や親衛隊の部隊は壊滅壊滅必至の状態で、ロシア政府と話し合いが始まっていたようだ。

 そこで4月9日にイギリスの​ボリス・ジョンソン首相がキエフに乗り込んで停戦交渉を止め​、4月21日にはウクライナ南部の​ミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と国民を脅している​。戦争を嫌がる人物は「国賊」だということだろう。

 4月30日になるとナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。ジョンソン英首相は8月24日にもキエフを訪問、ロシアとの和平交渉を進める時間的な余裕はないと釘を刺している。

 ちなみに、​アメリカABCのプロデューサーだったジェームズ・ミーク​は4月27日早朝、​「事実」とツイッターに書き込んだ​後に姿を消した。2014年のクーデターから8年にわたり、アメリカはロシア軍の戦術、技術、手順、電子戦について調べていると書き込んだ元CIAエージェントへの返事だ。確かに、クーデター直後からオバマ政権は新政権の軍事力強化に力を入れていた。ミークは下院国土安全保障委員会の上級顧問でもあり、機密情報を知りうる立場にあった。

 兵器の供給、機密情報の提供、兵士の訓練だけではロシア軍に対抗できない。そこでNATOが前へ出てきた。アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターによると、相当数の兵士をNATOは訓練、その部隊を投入し、さらに作戦もNATO軍が立てる態勢になったとも言われている。

 9月13日にはアンドリー・イェルマーク・ウクライナ大統領府長官とアナス・ラスムセンNATO前事務総長が「キエフ安全保障協定」の草案を発表、アメリカの統合参謀本部は「ウクライナ司令部」を創設するとしている。

 それに対し、プーチン大統領は9月21日に部分的な動員を実施すると発表。義勇軍と動員で約30万人が新たに増え、近日中に戦力は倍増される。指揮体制も強化された。すでにウクライナとの国境周辺へロシア軍は大量の兵器を輸送しているようだが、その中には​T-90M戦車​や防空システムの​S-400​も含まれている。

 当初、ロシア政府はウクライナの軍や親衛隊が壊滅すれば戦闘を終えることができると予想していたのかもしれないが、途中からNATOが出てきたことで戦闘態勢を強化した。部分的動員で集めた兵士の訓練に時間が必要だということもあるが、木の葉が落ちて隠れられなくなり、地面が凍って戦闘車両が動きやすくなる冬にロシア軍は新たな軍事作戦を始めると言われていた。その冬は目前であり、キエフ軍は追い詰められている。

 キエフ軍を動かしているのは米英の情報機関や特殊部隊、そしてNATOだが、そのNATOはロシアとの戦闘で内部は一致していないように見える。アメリカの統合参謀本部は慎重な姿勢を崩していない。そこでアメリカ軍やNATO軍を動かすような衝撃的な出来事を米英の好戦派やキエフ政権は引き起こす可能性がある。

 そうした中、核攻撃やダムの破壊という話が出てきた。カホフカ・ダムを「汚い爆弾(放射能爆弾)」で破壊するという話がある。そこで注目されているのがルーマニアにいるアメリカ軍の第101空挺師団。ダムを汚い爆弾で破壊すればクリミア半島の飲料水は絶たれ、放射性物質でロシア軍も深刻な影響を受ける。ロシア軍がそうしたことをするはずはないのだが、そうしたことを考えない、あるいは考えたくない人もいる。






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最終更新日  2022.10.27 00:00:37



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