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《櫻井ジャーナル》

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2023.02.17
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 ジョー・バイデン大統領の命令で中国から飛来した気球をF-22戦闘機が高度1万8000メートルで2月4日に撃ち落とした。中国は気象観測が目的で、コースから外れたと説明、NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)は危険だと見做していなかったが、西側の有力メディアは「偵察気球」というタグをつけ、騒いでいる。

 勿論、気象情報も軍事的に重要だと言えるが、こうした気球は中国上空を含めて至る所を飛び、その上には偵察衛星が飛行しているわけで、通常は問題にされない。中国から飛んできた気球だけでなく、その後、バイデン政権は「未確認飛行物体」、いわゆるUFOを撃墜し始める。

 こうしたバイデン政権の演出について、アメリカの電子情報機関による不正行為を告発したエドワード・スノーデンは使い古されたテクニックだとしている。関心を持たれては困る事実から人びとの注意を逸らすためにパニックを仕組んだという指摘だ。にたテクニックをマジシャンも使う。





 バイデンが副大統領だったバラク・オバマ政権は2014年にネオ・ナチを利用してビクトル・ヤヌコビッチ政権を暴力的に倒し、ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の住民はクーデター体制を拒否、ドンバスでは内戦が始まったわけだ。

 その内戦にアメリカ/NATOが介入、8年かけてキエフのクーデター体制の軍事力を増強してきた。「ミンスク合意」はそのための時間稼ぎだったと​アンゲラ・メルケル元独首相​は昨年12月7日に認め、​フランソワ・オランド元仏大統領​はメルケルの発言を事実だと語った。ドイツやフランスより好戦的なアメリカがロシアとの戦争を準備していたと考えられる。

 バイデンが大統領に就任したのは2021年1月だが、その直後からオバマ政権の政策を引き継ぎ、経済戦争を仕掛けるだけでなく軍事的な緊張を高めていった。年明け後にバイデン政権はロシア軍がウクライナへ軍事侵攻すると宣伝する一方、ウクライナ軍をドンバス周辺へ集中させ、2月中旬にはドンバスの反クーデター軍に対する砲撃を強めた。これはOSCE(欧州安全保障協力機構)も認めている。

 そして2月19日、ウクライナの政治家​オレグ・ツァロフは緊急アピール「大虐殺が準備されている」を出し​、キエフ政権の軍や親衛隊はこの地域を制圧、自分たちに従わない住民を「浄化」しようとしていると警鐘を鳴らした。ドンバスを制圧し、キエフ体制に従わない住民(ロシア語系住民)を「浄化」、CIAの下部機関と化しているSBU(ウクライナ保安庁)はネオ・ナチと共同で「親ロシア派」の粛清を実行することにもなっていたという。キエフ軍がドンバスを制圧した場合、NATO軍が合流するとも考えられた。

 そして2022年2月24日にロシア軍はウクライナの軍事基地や生物兵器の研究開発施設をミサイルなどで攻撃し始め、集結していたウクライナ軍は大きなダメージを受けたようだ。

 その後、西側の有力メディアはウクライナ軍が勝っていると宣伝していたが、実際は終始ロシア軍が優勢。3月にロシア軍は攻撃の手を緩めたようだが、その理由はキエフ政権とクレムリンが停戦交渉を進めていたからだろう。この交渉はアメリカ政府やイギリス政府のウォロディミル・ゼレンスキー政権に対する圧力で壊れた。

 話し合いでの解決が不可能だと腹を括ったウラジミル・プーチン大統領は9月21日に部分的な動員を実施すると発表、動員では集まった人びとの経歴に従って訓練を始めた。

 指揮体制も大きく変更、西部軍管区司令官の司令官をロマン・ビアルニコフ中将へ交代、またドンバス、ヘルソン、ザポリージャの指揮官としてセルゲイ・スロビキン大将を任命した。またチェチェン軍を率いているラムザン・カディロフは上級大将の称号を与えら、特殊部隊の出身者が多いとも言われている「ワグナー・グループ」も前面に出てきた。

 9月23日から27日にかけてドンバス(ドネツクやルガンスク)、ヘルソン、ザポリージャでロシアと一体になることを問う住民投票が実施され、圧倒的多数で承認された。それ以降、これらの地域をロシア政府はロシア領とみなす。

 この段階でウクライナ軍はアメリカ/NATOの支援ないしには存在できない状態。アメリカやイギリスなどの国はウクライナへ特殊部隊を派遣、周辺国からも兵士が入っているが、ウクライナ軍は壊滅状態になっていた。

 ウクライナ軍は45歳以上の男性だけでなく少年兵も前線へ送り出していると伝えられていたが、今年に入り、60歳程度の男性が街角で拘束され、前線へ送り込まれているとする話も伝えられている。

 動員が宣言された後、ロシア軍が始める新たな軍事作戦が強力なものになることは不可避で、ウクライナ軍をテコ入れするために兵器を大量に供給しなければならない。そのためにはNATO加盟国に協力を強めさせる必要がある。そうした中、9月26日にロシアからドイツへ天然ガスを運ぶために建設されたパイプライン、「ノード・ストリーム(NS1)」と「ノード・ストリーム2(NS2)」が爆破された。

 ​爆破から1分後にイギリスの首相だったリズ・トラスはiPhoneでアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官へ「やった」というテキストのメッセージを送った​と昨年10月30日に報じられた。その前日、ロシア国防省はこれらのパイプラインを破壊したのはイギリス海軍だと発表、トラスはその4日前に辞任している。

 ロシア軍が軍事介入する前、2022年1月27日にビクトリア・ヌランド国務次官はロシアがウクライナを侵略したらNS2を止めると発言、2月7日にはバイデン大統領がNS2を終わらせると宣言、記者に実行を約束した。こうした「予告」が現実になったわけだ。

 そして​今年2月8日、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはノード・ストリーム爆破に関する記事を発表​する。アメリカ海軍のダイバーが実行したというのだ。バイデン大統領の下、ジェイク・サリバン国家安全保障補佐官を中心に、ブリンケン国務長官、ビクトリア・ヌランド国務次官、さらに統合参謀本部、CIA、そして財務省の代表が集まったとしている。2022年初頭にはCIAがサリバンのチームに対し、パイプラインの爆破計画を提出、ノルウェーは爆破地点の選定や工作の拠点作りに協力、スウェーデンやデンマークも関係したという。ウクライナで戦っているのはロシア軍とアメリカ/NATO軍だとすでに指摘されているが、ハーシュの記事はその分析と合致する。





 ドイツではアンナレーナ・ベアボック外相は「フォーラム2000」で「ドイツの有権者がどのように考えようとも、私はウクライナの人びとを支援する」とし、欧州議会で「われわれはロシアと戦争している」と発言しているしていた。






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最終更新日  2023.02.17 00:00:05



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