☆1日1問☆中小企業診断士:財務会計
【問題】下記のような条件において、直接原価計算と全部原価計算における営業利益をそれぞれ求めてください。全部原価計算においては製造間接費は生産量を配賦基準として実際配賦を行い、期末製品原価は先入先出法により計算するものとします。期首製品在庫量:0個期末製品在庫量:200個製品生産量:1000個製品販売量:800個販売単価:2,000円/個変動製造費用:1,350円/個固定製造費用:280,000円変動販管費:150円/個固定販管費:100,000円(本問題は、TAC模擬試験を参考にさせていただきました。)------------------------------------------------------------------------------------今日は、どれぐらい利益をあげているかを見る際に利用する原価計算方式です。一見ややこしいように思うかもしれませんが、ポイントは直接原価計算は、固定製造費用がそのまま計上され全部原価計算は、販売された製品分のみ売上原価として計上する。ということです。また全部原価計算で計上されない固定製造費用は翌月の売上原価として計上します。-----------------------------------------------------------------------------------【回答】直接原価計算=20,000円全部原価計算=96,000円全部原価計算は,売上高から製品製造原価を差引き売上総利益を求め,売上総利益から販売費および一般管理費を差引き営業利益を求めるという通常の原価計算である。直接原価計算は,原価を変動費と固定費に分けて計算する。・直接原価計算 売上高:1,600,000(800×2,000円) -変動製造費用1,080,000(800×1,350円) -変動販管費:120,000(800×150円) =貢献利益(限界利益):400,000 -固定製造費用:280,000円 -固定販管費:100,000円 =営業利益:20,000円・全部原価計算 売上高:1,600,0000円 -売上原価:(変動製造費用+(固定製造費用÷製造量×販売量):1,080,0000円+(280,000円÷1,000個×800個):1,304,000円 =売上総利益:296,000円 -販管費:220,000円(100,000円+(150円×800個)) =営業利益:96,000円全部原価計算は,固定間接費が製品製造原価に含まれるので,生産量の増加に応じて営業利益が多くなる。これに対して,直接原価計算は,販売量の増加に応じて営業利益が多くなる。結論:直接原価計算が望ましい。