ビットコインがこれから社会に浸透するのかどうか皆目見当もつきません。僕自身は今のところその必要性を感じません。ペイパルという便利な決済手段もあるし、アップル・ペイという新手もアメリカでは使用が始まっています。ただ、ビットコインの流通の仕組みがどいうものなのか興味がありますので、入門的なことを調べてみました。実際に購入したことも使ったこともないので、具体的なことはよくわかりませんが、ビットコインの取得、それを「財布」に入れ、使う時は「財布」から出して使う、という流れです。

ビットコインは仮想通貨ですから100円玉とか1000円札といった物理的なモノではありません。最近は、いろいろな店舗の買い物やクレジットカードの使用でポイントがたまり、限られた商品の購入などに使うことが出来ますが、あのポイントのようなものです。ポイントと違うのは、ポイントは円という通常通貨をある環境で（例えば、ある店で）使った時にそれに付随してある率で手に入るのに対して、ビットコインはそれ自体を購入しなければなりません。その際、市場の定める交換率に従うことは言うまでもありません。ビットコインを購入するには、それを取引しているウエッブサイトでクレジットカードや銀行送金を使うことになります。英語で"buy bitcoin"と検索するとbitcoin exchanges（ビットコイン取引サイト）と呼ばれるサイトがいくつも出てきます。

日本では、例のマウントゴックス（Mt.Gox）事件がありましたね。東京を本拠にする大手の取引サイトで、ここでは円でビットコインを買うことが出来たようです（買ったことがないのではっきりは知りません）。ニュースでご存知のように、現在破産手続き中で、もう使うことはできません。（それどころか、Mt.Goxのオンライン財布に預けておいたビットコインはおそらく全額失われたのではないかと危惧します。）

マウントゴックスが存在しない今、円でビットコインを購入でき、信用のおける取引サイトがあるのでしょうか。

大石哲之という方の2014年9月のブログでは、円・ビットコイン交換の可能ないくつかの取引サイトが紹介されています。この方の過去のブログや経歴などから、かなり信頼できる情報と考えられます。どの取引サイトも本人確認を要求されるようです。

ATMでビットコインを購入、という方法も徐々に増えてくるものと思われます。日本では、六本木の西麻布交差点にあるVerandaというダイニングバー・ラウンジにATM第一号機が設置されたようです（2014年6月）。

次に、購入したビットコインの管理です。例えば、楽天ポイントの場合ですと、楽天のサイト上で各人のポイント残高が管理されています。それと同じように、ビットコインの残高もどこかで管理されなくてはなりません。各ビットコイン購入者・所有者は自分のビットコイン残高を「財布」（wallet）にしまっておきます。「財布」にはオンライン財布とソフトウエア財布があります。オンライン財布は、「財布」機能専門のサイトに預けておくのですが、そのサイトがなくなってしまうとか、ハッカーに乗っ取らたりすると、預けていたビットコインがなくなってしまう危険があります。例えば、マウントゴックスでは、たくさんのビットコインが失われましたね。

オンライン財布に比べて、ソフトウエアを使った財布は、自分のコンピューターや携帯電話（iPhoneまたはAndroidの携帯）に入れておくので、比較的安全といえます。

取得して財布に入れたら、いよいよ、どこでビットコインを使うかです。投機（あるいは犯罪ですがマネーローンダリング）目的で購入する人もいるかも知れませんが、普通の消費者にとっては物やサービスの購入に使うことが出来なければあまり意味がないでしょう。

日本国内でビットコインが使える場所は、現在のところ非常に限られています。ビットコインで決済のできる店の情報をcoinmapという地図で確認できます。日本全体で43件（東京近郊23件、大阪13件、京都3件、名古屋2件など）と全く話になりません。東京にある23件がどういうお店なのか見てみましたが、内5件は中国語教室とあり、あとは、ウエッブページ・コンサルティングの会社、着物屋、骨董屋、総合格闘技教室、喫茶店、バーなどです。日本での使用は、近未来も含めて、あまり現実的ではありませんね。因みに、サンフランシスコ周辺は126件、ロンドン周辺は82件、アムステルダム周辺は44件、とあります。アメリカでは、この他にオンライン・ショップでビットコインの使えるものが続々と出てきています、Dell、Newegg、Overstock、TigerDirectなど。

さて、入門編はこの位にして、次回はビットコインの仕組みをもう少し理解してみようと思います。