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テーマ:今日のラジオから(57)
カテゴリ:本
今日の「日曜喫茶室」は亀山郁夫さんと小林かずおさんがゲストでロシアがテーマ。当然話はカラマーゾフから。 「 亀山さんは、インタビュー記事の印象と同じ肉声の印象。 丁寧な物言い、抑制の効いた発声。 ちょうど姜尚中さんと同じ印象だ。 この方、肩書きは「東京外語大学学長」「ロシア文学者」である。 ロシア文学者はともかく、大学の学長と言えば、「大人」の「社会人」で「仕事人」と言う風に思う。 事実、月曜日から金曜日まで毎日大学に行き、学長としての仕事をこなすのだという。 独立行政法人となってからは、スポンサーさがしで企業を回ったりもするという話。 ところがである。 ロシア文学の話をしている様子は、私が考える「大人な仕事人」とはかけ離れた印象なのだ。 仕事をしながらだったので、初めの部分が飛んだけれど、ドストエフスキーの「罪と罰」を中学生ではじめて読んだ時のこと、そして(次が少し抜けてわからないのだけれど)父親と深刻な対立をしていた時期という話があったと想像するのだが、「カラマーゾフ・・」と出会う。 読む前に、これが「父殺し」の話であると知り、「扇情的」に感じた、というような表現をしたのだ。人に知られてはいけない、まるで「ポルノグラフィー」のような知りたくてたまらないけれど、隠しておきたいような特別なもの、という意味で。 この話をする亀山さんは、何だか私が考える自分をしっかり保ちながら(心をガードしながら)専門の話をする学者や評論家とは全然違う種類の人に思えた。 無防備に自分の魂を開放してさらけ出している感じなのだ。 「大人」でこんな人はあまり見た事がない。 今読み始めている「亀山カラマーゾフ」 は、私はまだリズムがつかめなくて「何だか少しちがうかなぁ」という気がしているのだけれど、「亀山郁夫」という人はお気に入りに入れておこう! 今は土曜日曜だけ「週末文学者」として「罪と罰」の翻訳をやっているところだという。
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