児童書『幽霊ランナー』が刊行されました
岡田潤さんの児童書新刊『幽霊ランナー』が金の星社より刊行されました。小柄でひょろっとしていて、5年3組の教室でも影のうすい優は、サッカーチームのキッカーズでもいつも補欠。3年生で初出場した少年少女マラソン大会では、スタート直後に転んで何人もに踏みつけられたのがトラウマになり、3年連続スタート直後に棄権。そのためみんなから「幽霊ランナー」と呼ばれていた。ところが、3回目の棄権の後、優は取り残されたグラウンドである人に出会う。それは美しいフォームで走り、静かに優を導いてくれる中学生の「先輩」だった。先輩の背中を追いかけて、黙々と走る優の実力をやがて周りも認めるようになり、いよいよ小学校最後のマラソン大会の日がやってくる。襲いかかるトラウマとプレッシャー。目標は完走。ぼくは消えない、絶対に。優に走る意味を教えてくれた先輩はいったい何者だったのか?レースを終えた時、真実が明らかになる。************これは岡田潤さんにとって特別な物語だと、潤さんのブログに書かれています。私たちにとっても、いくつか思い当たることがあります。サッカーチームの名前は小平三小と同じ「キッカーズ」。少年少女マラソン大会は小平中央公園でも毎年行われ、花まるの子どもたちも出場しました。だから、あ、このエピソードはあれだな、とか、この子のモデルはもしかして…と楽しめるところがあります。もうその子どもたちは成人してしまいましたが、一緒に応援に行った懐かしい思い出が蘇ります。じゅんさん、物語にしてくれてありがとうそして読了後――走るって楽しいのかも。だれかからたすきを渡されたら、自分らしくベストをつくせばいいのかも。そうしてまただれかにたすきを渡して、そうやって人は時空を超えてでもつながっていけるのかも。人生はマラソン、目標は完走…と、これからも生きていく勇気をもらいました。本、ずっと大事にします。(足達)