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【英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団】2008年 日本公演
『コッペリア』 全3幕 音楽:レオ・ドリーブ 振付:マリウス・プティパ、エンリコ・チェケッティ、ピーター・ライト 演出:ピーター・ライト 装置・衣裳:ピーター・ファーマー 照明:ピーター・ティーゲン 指揮:フィリップ・エリス 演奏:東京ニューシティ管弦楽団 ゆうぽうとホール 開演 17:00 <主要キャスト> スワニルダ:吉田 都 フランツ:イアン・マッケイ コッペリウス博士:ジョナサン・ペイン スワニルダの友人:ナターシャ・オウトレッド、アンジェラ・ポール、ジャオ・レイ 平田桃子、アランチャ・バゼルガ、ジェンナ・ロバーツ 市長:デヴィッド・モース 宿屋の主人:クリストファー・ラーセン コッペリア(人形):ソニア・アギラー 他:英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 協力:東京バレエ団、東京バレエ学校 ブログに鑑賞記録を残していませんが、昨年5月に新国立劇場で上演されたローラン・プティ版の「コッペリア」を観ています。本日観るのは、この近代的なプティ版の元になったもの。19世紀末にマリインスキー劇場で上演されたプティパ振付けの版を受け継ぐ、伝統的な「コッペリア」です。 かなり前に子ども劇場でも、東京シティ・バレエ団による「コッペリア」を観ましたが、上演中に退屈する子どもたちが気になって、あまり集中できませんでした。 ピーター・ライト版の「コッペリア」は、たいそう面白うございました。 クラシック・バレエで声をあげて笑ったのは、久しぶりです。 先日の「美女と野獣」は、マイムを超えた”演技”の世界でしたが、「コッペリア」はマイムが山ほど出てきます。それがコミカルで大仰で可笑しいの! 吉田都さんは想像通りに素晴らしく、まるでスワニルダを演じるために生まれてきたみたい。”おきゃん”なキャラは、童顔で小柄な都さんに似合っています。 イアン・マッケイ演ずるフランツも、本当はいい奴なんだけどちょっぴり(かなり?)浮気性の優男のキャラに合っていました。野獣の時とはまた違う魅力でしたね。(踊りのほうは、日本公演出ずっぱりでお疲れなのか、跳躍の着地が何度も乱れるなど精彩を欠いていましたが…) コッペリウス博士役のジョナサン・ペインは、理想の娘であるコッペリアを溺愛する様を丁寧に演じていたと思います。コメディな場面が多い作品なので、もっと弾けても良かったかもね。 プティ版、ライト版ともに、最後は博士の作ったコッペリア人形は壊れてしまうけれど、プティ版の幕切れは、魂の抜けた人形を前に博士が悲嘆にくれる…という切ないものだったのが、ライト版では、何と!コッペリアに本物の魂が宿り人間になるのです。 コッペリアを大切に思う博士の気持ちが、つい親心とダブってしまって、プティ版でも涙腺が緩んだ私は、今回は嬉し泣き?ですよ。心温まるハッピーエンドでした。 それにしても、都さんは素晴らしかったわぁ。 すごい超絶技巧をやるわけではないけれど、正確で丁寧で端正で…褒め言葉が次々と溢れます。彼女は間違いなく日本のバレエ界の…いいえ、日本の宝ですね。 鑑賞はたった2回でしたが、バーミンガム・ロイヤル・バレエの伝統的な「物語バレエ」を堪能できて満足です。フィリップ・プロウズとピーター・ファーマーによる装置&衣裳も重厚感があって、とても良かったです。かなり好み。 是非また来日してください。 ★NBS 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ「コッペリア」公演ページ http://www.nbs.or.jp/stages/0801_birmingham/copplia.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.21 16:22:52
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