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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。
今週は久々に嬉しいビッグニュース。11日に行われた『佐賀記念JpnIII』において、JRA・ヒラボクラターシュ号に騎乗した山本聡哉騎手が優勝。自身初のダートグレードタイトルを手にしたのです。 ●佐賀記念結果(NAR) しかし、「佐賀競馬場で」「山本聡哉騎手が」「JRAの馬に乗って」と並べていくとよく分からない感じになってしまいますよねえ。 山本聡哉騎手が佐賀競馬に遠征しているのはご存じの通りとして、後段は「関東地方の降雪の影響を受け2月9日のJRA東京競馬が11日に代替される事になった」という所がスタートになります。 当初福永祐一騎手が騎乗する予定だったヒラボクラターシュは、代替開催によって福永騎手が東京競馬で騎乗するために鞍上不在となり、その結果、佐賀で騎乗中だった山本聡哉騎手に手綱が回ってきた・・・という流れ。 そんな、雪のおかげで巡ってきたチャンスなのですが、それをしっかりと掴んだあたりが見事ですよね。 佐賀で乗ると決めたところからこのストーリーが始まっていたのかもしれない。 あまり知られていないのですが、かつて、10年くらい前までかな。岩手の騎手が冬期間の佐賀に遠征騎乗する事が3年くらい続きました。減量騎手限定で、という前提だったと思いますが、その時の2006年の冬に、山本聡哉騎手も佐賀に行って騎乗しています。 「その時は勝ってないからとりあえず“佐賀初勝利”が目標ですよ」と、軽く言い残して佐賀に向かった山本聡哉騎手だったのですが、早々とその“目標”を達成しただけでなくグレード勝利まで挙げてしまいました。 さて、岩手競馬の騎手のグレード勝ちは史上4人目、現役2人目となります。 ・1998年マーキュリーカップGIII 菅原勲(元)騎手(メイセイオペラ) ・1999年東京盃GII 阿部英俊騎手(サカモトデュラブ) ・2006年エーデルワイス賞JpnIII 小林俊彦(元)騎手(パラダイスフラワー) ・2019年佐賀記念JpnIII 山本聡哉騎手(ヒラボクラターシュ) ★2006年のエーデルワイス賞JpnIII、優勝はパラダイスフラワーでした グレードレースのタイトルを山ほど持っている菅原勲元騎手は別格として、山本聡哉騎手は例えばラブバレットで、村上忍騎手はトニージェント等で惜しい所まで何度も迫った事があります。小林俊彦元騎手も2着3着が複数回ありました。 佐藤雅彦元騎手のバンチャンプ、オースミジェットとタイム差無し2着だった1999年マーキュリーCなんかも非常に惜しかった。意外な所では2004年の名古屋グランプリ、デンゲキヒーローで3着だった陶文峰騎手なども。 ★2004年名古屋グランプリ 右端がデンゲキヒーロー 惜しいレースがありつつの今回の12年半ぶりになる岩手の騎手によるグレード制覇(厳密に言えば「佐賀所属の山本聡哉騎手の勝利」になるんだろうけども、そこは難しく考えない事にする)。素直に喜んでいいと思いますし、チャンスを引き寄せてモノにした強運もまた、素晴らしいと言っていいのではないでしょうか。 次はできうる事なら岩手の馬でのグレード制覇を。そのシーン、やはり見てみたいですよね。 南関東では既に滞在していた村上忍騎手に続いて高松亮騎手も騎乗を開始。それぞれ勝ち星を挙げました。村上忍騎手は3月15日まで、高松亮騎手は2月11日から始まって3月29日までの騎乗期間になります。まだ一ヶ月以上の騎乗期間がありますから、更なる活躍を期待しています。 そしてもうひとつ。間もなく来週にも、新シーズン開幕に向けた調教がスタートします。 最近頂いたデータによれば、現時点の盛岡・水沢を合わせた在厩頭数は約500頭となっているようです。 昨年の、打ち切りになる前の9回水沢開催時点では約700頭だったのでその時点から言えば200頭減なのですが、例年の4月の開幕頃は600頭ほどですから、今時期にしてはそんなに少なくはないような感じです。 細かい事をいろいろ書きたい気持ちは無きにしも非ずも今回は置いておいて、まずは来週の調教スタートを見守りたいと思います。 ★昨年の調教始めの模様(18年2月20日)。今年も雪は少なそう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年02月15日 02時02分11秒
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