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2019年10月14日
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カテゴリ:大川 充夫
ミツオーです。猛威を振るった台風19号。被害にあわれた方々に、心からお見舞いを申し上げます。一日も早く、たくさんのことが元通りになりますように。



さて、わたくし先週は笠松競馬実況を担当しました。


笠松では、久しぶりに水野翔騎手にお会いしました。


(水野翔騎手)


水野騎手は、このブログでもご紹介したとおり(5月27日 ​https://plaza.rakuten.co.jp/dailykeiba/diary/201905270000/​)、6月から8月末まで、マカオのタイパ競馬場へ遠征していたのでした。




久々に会って、やはり話題はこのマカオ遠征について。


ということで、少し詳しくお話をうかがいましたので、ご紹介します。





わたくし勉強不足で、マカオの競馬事情をまるきり知らず、まずはそこから教えてもらいました。


マカオでは、基本的に週1~2日の開催。


「土日開催だったり、金土開催だったりバラバラですけど、ボクが行ってしばらくたった7月からは、2日開催でした。
1日に6レースしかないんですよ。フルゲートは14頭ですけど、これも多かったり少なかったりバラバラですね」


シーズンの終了が8月末とのことで、要するにこれは、年度の切り替えが9月ということを反映しているのだと思いますが、


「シーズン最終日が8月25日で、シーズン終了で帰国するというのが、ウチの調教師(笹野博司師)との約束だったので」


今回のマカオ遠征を終了しました。
2カ月半を振り返って、


「すごく濃厚な時間を過ごさせてもらいました。
私生活から、レースや攻め馬まで、すごい濃い、密度が高い生活を送らせてもらいました」

「MCタンという調教師さんが、このひとは新人騎手とか海外から来たばかりの騎手を、一度は乗せてみるというひとなんですが、このひとにかわいがってもらって、調教もレースも、たくさん乗せてもらいました」


とは言え、最初から順調だったわけではなく、初め、マカオに到着した直後の週は、調教にもレースにも騎乗できたものが、第2週には、両方ともゼロに。


「その間、競馬場に顔を出すだけで、『調教、乗り手足りないことないですか?』って聞いてまわっても、『大丈夫』って言われて全然乗せてもらえなくなっちゃったんです」


かなり深刻な状況におちいりました。
ここで、「このひとが声をかけてくれたから、マカオに行く決心がついた」という、元船橋の中野省吾騎手が、タン調教師に「乗せてやってほしい」と話してくれたのだそうです。



(マカオ遠征を振り返って話す水野騎手)



「それでタンさんのところの馬に乗せてもらって2週目だと思うんですが、FASUBAに乗せてもらったんですね。6月の最終週でした」


このFASUBAという馬は、


「1000メートルの馬で、乗ったレースは1400メートルだったんですが、これは長いっていうのはわかっていました。
タン調教師は、とにかく逃げて、あとは自分のペースで運んでくれよ、みたいなことを」


このレースで、水野騎手は見事に「1000メートルの馬を1400メートルもたせて」勝利。
これがマカオでの初勝利となりました。


「ハナ行って、そんなに他がつついてこなかったのでいいペースで行けて、ゴールでは『勝っちゃった』と。
『おお、これ、勝てる?勝て…勝っちゃったよ!』みたいな。
とにかく一つ勝てたことがうれしくて、ゴールでガッツポーズも出ました。ボクたぶんガッツポーズは初めてですよ。
お世話になってるタン調教師の馬で勝てたのもうれしかった」


ところが、トップでゴールを駆け抜け、大喜びで上がってくると、周囲の騎手や関係者がかなり派手に祝福してくれます。


「背中をバンバン!ってたたかれて、『お前、やるな!』みたいに。
で、馬に肩掛けがかけられて、見たら『G2』って書いてあって。
ボク、これが重賞だって知らなかったんですよ。
冊子とか見れば書いてあったんでしょうけど、正直よく読めないので見てなかったんですよ。
そしたら重賞だったんですね。
『重賞だなんて知らなかったよ』って言ったら、また周囲が『オイオイオイ!やってくれるな!』バンバンバン!って」


水野翔騎手は、自身初の海外遠征での初勝利を、なんと自身知らずに重賞(サマートロフィー G2)で成し遂げてしまったのでした。



タン調教師の信頼を勝ち取り、非常にかわいがられたという水野騎手。


「熱血な指導を受けました。
一緒に攻め馬に行ってくれたりとか。乗りながら、自分も馬に乗ってついてきてくれて、指導してくれました。
『お前はもっとトレーニングしろ』って言われました。
『お前はトレーニングすれば、絶対ナンバーワンになれるから』『木馬もランニングも筋トレも、全部やれよ』って言われて。
もちろん続けてやってます、やってます。教えは守ってます」


水野騎手は予定どおり、2カ月半の遠征を終えて帰国。


「調教師から他の騎手から厩務員から、みんな、『なんで帰るの?』って言ってくれました。
『絶対、こっちにいたほうが勉強にもなるし、稼ぎもいいし』って。日本の賞金のこと言ってあったので。
それで、みんなに『ジョークでしょ?』って言われてたんで。笠松の賞金のこと言ったら。

(なぜ帰る?と言われて)確かに、とは思ったんですけど、それは約束なので、調教師との。帰らなきゃいけないので。
また機会があれば行きたいですし。
別の場所も行きたいですし、考えてます。

向こうのリーディング調教師さん、サンリーチュンさんっていうんですけど、そのひともイギリス行くなら紹介するよって言ってくれたので」


と、さらなる飛躍も視野に入れています。



海外遠征を終えて、人脈がひろがっただけでなく、世界観も大きく変わったそうで、


「騎手としてだけでなく、一人の大人として人間として、考え方が変わりました」


という水野騎手の横合いから、名古屋の村上弘樹騎手が、「ボクもしゃべっていいですか?」と。



(水野翔騎手と村上弘樹騎手)


村上騎手「いきなりワケわからんこと言い出すんですよ。
これまでバカだったのに、いきなり、日本を変えなきゃいけない、若者が投票に行かなきゃいけない!とか言い出すんです!」


いやいやいや、選挙に行くのは国民の義務ですよ?大人として当たり前なんじゃ?


水野騎手「以前は、ボクその当たり前(投票)を当たり前って思っていなかったんです。
そのことに全然関心がないじゃないですか。関心もなければ、どうせ投票したって何も変わらないって思ってましたし。

でもいろいろ学んで考えてみたら、いや、ダメでしょ、しなきゃ、って。

同級生とか後輩とか、競馬関係でもない友達とかに、200人以上にライン送ってますもん、この件で。投票しようって」


村上騎手「投票に行くのはおじいちゃん・おばあちゃんばっかりで、そうすると政策もおじいちゃん・おばあちゃんのための政策ばっかりになる。
若いひとが投票に行くことで、そこから変えていかなくちゃいけないんだって。

…ちゃんと言われたこと覚えてるだろ?」






騎手学校にあたる地方競馬教養センターで同期であるばかりか、ルームメイトだったという水野騎手と村上騎手は、今でも非常に仲が良く、並んで話を聞いていると息もピッタリ合い、非常に面白いコンビです。

「最初の師匠はこいつですよ」

と、村上騎手をリスペクトする水野騎手。



「最初の技能検査、ボク、落ちちゃったんですよ。居残り組になって。
コイツ、ケガしてしばらく乗ってなかったのに、一ヶ月ぶりとかで馬に乗ったのに、一番だったんです。
馬を交換したんですけど、ボクが全然乗れなかった馬に、こいつは平気で乗るんですよ。なんで乗れるの?って」


懐かしいね!と笑いながら当時を語る姿は、現在は東海地区、笠松・名古屋でともにリーディング上位の騎手となった二人の若かりしころ(…今でも若いですが)を想像させ、何とも微笑ましいのでした。






(示し合わせたように表情をあわせてくる二人。「ボクら、ハッピーセットなので」「お前、あれはおもちゃが本体なんだぞ」「じゃあボクがおもちゃで」…漫才か!)



少しマカオ遠征からは話がそれましたが、とにかく、水野翔騎手は海外遠征をへてまた一回りも二回りも大きく成長しました。
笠松のトップジョッキーに、東海のトップジョッキーに、あるいはさらに…と、活躍が期待されます。



数年後、そういえば若いころにマカオ遠征したころから成長したんだよな、と思い起こす日がくるかもしれません。



水野翔騎手の活躍に、今後も注目していきたいと思います。





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最終更新日  2019年10月14日 13時17分56秒
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