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2020年11月23日
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カテゴリ:大川 充夫
ミツオーです。セとパの野球の違い…なのか?本当に。


さて、どうにも難しい状況が続いています。


続くという表現はもしかしたら適切ではないかもしれません。
いや、続いていることには違いありませんが、より一層、難しくなったと言うべきでしょうか。


もちろん、新型コロナウイルス感染症に関する話です。



ちょっと振り返りますと、国内でこの感染症が取沙汰されるようになったのは、今年初頭。
最初は、

「アレ、ちょっとヤバいらしいよ」

という程度の、言わば対岸の火事、火の粉が飛んできてるみたいだけど、もらい火事にまではならないでしょ?てな認識の方が多かったのではないでしょうか。少なくともわたしはそうでした。



2月に入り、クルーズ船での集団感染が起きて初めて、

「コレってもしかして国内にも大々的に入ってくるのか?」

と認識を改めざるを得なくなり、2月も半ばになるといよいよ気をつけないとアカンらしいぞ、こんなふうに大勢集まって宴会とかしてちゃマズいのでは?と多くのひとが語るようになりました。



今にして思えば、国内でのこの感染症流行の、それはほんの始まりの時期で、感染症から身を守る・感染拡大を防止するためにどうすればいいのか、一市民としてはどうするべきなのかを、ほとんどのひとが知らない状況でした。



2月末、政府から、大勢のひとを集めてのイベントごとを自粛するよう要請がなされ、2週間程度の辛抱だから外出もできるだけ控えるようにという話になると、地方・中央ともに競馬場はファンの入場を停止。いわゆる無観客開催がスタートしました。


わたし自身、2月中旬に開かれたNARグランプリ2019表彰式と祝賀会には出席した一方で、その数日後に予定されていた、社の「飲食をともなう」会合は取りやめとなるなど、情勢の急変を直に体験することになってからの、無観客開催。


お客さまの誰一人いない競馬場でおこなわれるレースを見て、実況することは、事前に想像していた以上に張り合いが感じられず、当時、かなり気分的にダメージを受けました。




イベントや外出・移動の自粛は、2週間では済みませんでした。




結局春休み期間中に開かれるハズだった多くのイベントやスポーツの大会・開催が中止に追い込まれ、この段階からでしょうか、世の中全体が陰鬱な雰囲気になってきたのは。


大相撲春場所が中止になる。
センバツ高校野球が中止になる。
プロ野球が開幕しない。
Jリーグが中断する。
学校は早く春休みにしちゃう。
卒業式はおこなわない。

アレがなくなる。コレもなくなる。

何だ?これは。
まさか自分がこういう事態を経験することになるとは…。



4月上旬から半ばには、政府による緊急事態宣言というものが出され、本当に世の中のありとあらゆる物事が、感染拡大防止のためという名目で中止・取りやめに。


実際どのくらいの割合の方がそうされたのか知りませんが、おウチで仕事になる業種の方は出社しない、おウチでは仕事にならないけれども出勤しない、そもそも会社やお店が営業しない、ということが本当に起きてしまいました。



こうした国難(…世界中がそうなんだから、国だけの難ではないでしょうけども)とも言えるひどい状況下に、競馬の売り上げは実に好調に推移したというこの皮肉。


わたしも毎日、以前と変わることなく競馬場に出勤し実況放送業務を担当してきました。
えらいもので、初めあれほど張り合いがなく違和感を感じた、ファンのいない場内での実況にも慣れてしまいました。


金沢や笠松に出張もして、行き帰りの列車内や宿泊施設のあまりにも閑散とした様子にも慣れてしまいました。


人間とはおそろしい。
アレに慣れることができるのか。
大勢が困っていると頭ではわかっていても、すいている新幹線車内は快適だ。

そのうち、この状況も悪くない…などと感じるようになる。
人間とはおそろしい。



その後、長くながく続いた、「頭を低くして禍をやり過ごす」という風潮は、


「一体いつまでガマンしてりゃいいんだよ!」


という鬱屈に転じ、夏から秋以降実施されたGoToキャンペーンなどをキッカケに、今や大きな反動をむかえている様子です。




どうなるんでしょう?
どうするんでしょう?


感染拡大の勢いは止められそうにない。


春から初夏くらいに大勢が協力して、辛抱して辛抱して一度は抑え込んだ、あの頃のような振る舞いに戻せば、あるいはこの事態を軽減できるかもしれません。


が、もう辛抱たまらん!という今の反動の勢いも止められそうにない。





地方競馬は今年、数字上の売り上げが非常に好調で、例えば笠松競馬では一日6億円を超える売り上げを、金沢競馬では9億円を超える売り上げを、それぞれマークしたりしました。


繰り返しますが、実況アナウンサたるわたしなどは、事態前と変わらず出勤し、仕事をさせてもらっています。


一方で、競馬場で仕事をしてきた方々の中には、お客さんが入らないのでは売り上げが得られないという業種も多くある。同じ競馬をつくる立場の仲間として、この差はあんまりです。


それに、主催者さんだって馬券売り上げの全てがネット投票となれば、手数料がかさむばかりで、大して実入りは増えてないとおっしゃるかもしれない。本場開催日以外の場外発売所としての売り上げがゼロというのも困ったことでしょう。



こと競馬場、競馬開催という立場だけでも、お客さんは戻ってほしい。
大勢、できれば無制限で入場させたい。


が、感染者数は増大している。


またいつ春のような要請や宣言が出るか、わからない。



本当に、本当に難しい状況が続いています。







競馬実況の話を一つだけ。


タガノゴールド号のことです。


だいぶん時間がたってしまいましたが、11月8日に金沢競馬場でおこなわれた第68回北國王冠で2着となった兵庫・タガノゴールドは、入線後すぐ、第1コーナーに差しかかるあたりで倒れ、ふたたび立ち上がることなくこの世を去りました。


わたくし、このレースの実況を担当していました。



このレース、直線は勝ったスギノグローアップとタガノゴールドの見ごたえある追い比べ。ゴールした瞬間、その差はわずかでしたがスギノグローアップが先着したように見え、ゴールを過ぎたあとはそうした状況をお伝えしていたのですが。


ふとゴールした馬たちが走り去った方角を見ると、タガノゴールドが倒れている。



迷いました。



この状況に言及すべきかどうか。



レースは終わっています。
入線後の馬のアクシデントです。


例えば入線後に落馬、という事態が起きた場合、それに気づいてもあえて触れずに終えることは多いのです。


が、このときタガノゴールドの様子は明らかに緊急性の高いものでした。
下原騎手が、横倒しになった馬に懸命にマッサージをほどこす姿が見えている。


そして、山中寛アナウンサーが、「タガノゴールド…」と、注意をうながしてくれた。



そうだ。
この馬は、タガノゴールドだ。


倒れている。
状況は予断を許さない。


それだけでも触れておこう。




そう考えて、あのような言い方をしました。



後になって、山中アナウンサーも触れたように、ネットのレース中継映像には馬が倒れるシーンも倒れている様子も映らず、わたしが何も言わなければ、中継をご覧になった方々にその事態が伝わらなかったという事情を知りました。


迷って、それでも口にしたことが正解だったのかどうか、わたしにはわかりません。
しかし後悔はしていません。


ただタガノゴールドが再び立ち上がることができなかったことが、残念です。


(第68回北國王冠パドックのタガノゴールド)






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最終更新日  2020年11月23日 17時25分40秒
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