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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。
残暑、厳しいですねえ。いいかげんそろそろ「厳しかったですね」と過去形で言いたいのですが、まだしばらくは最高気温が30度に届くような日があるようで。まだ油断できないですねえ・・・。 今年復活した形の“秋の”水沢開催にしても以前なら後半頃からは秋の気配が濃くなってきた記憶なのですが今年は最後まで暑くて、2開催4週間のその最終日が一番蒸し暑く感じたくらいでした。 ★装鞍所のミスト、結構涼しかったなあ・・・ それでも朝晩の気温はだいぶ低めになってきていたので、厩舎関係者に聞いても調教はだいぶ楽にできるようになった・・・という声が多くはなっていましたが、しかし今年の暑さが“異常”なのならともかく、こんな暑さが毎年くるようなら暑さ対策にももっと本腰を入れないといけないよね・・・という声も多かったです。できれば今年が“異常”の方であってほしい・・・。 さて今回のお話は戸塚記念です。三度の激突となった“ヒーロー”対決。黒潮盃の激闘がまだ記憶に新しい中で行われた今回はより注目度が高かった印象でしたが、結果はヒーローコールがマンダリンヒーロー以下に6馬身差を付ける勝利。ヒーロー対決を3戦3勝とする強い走り、強い競馬を見せつけました。 ★戸塚記念優勝/ヒーローコール そう。「見せつけた」。強さを見せつけるべく戦って、しっかりと見せつけてみせた。それが今回のヒーローコールの戦いぶりだったように感じます。 引き上げてきて脱鞍の枠場に入る時に何度も「よし」と自分に言い聞かせるように、噛みしめるように繰り返した森泰斗騎手。 序盤こそ2番手でしたが2周目の向こう正面に入ってほどなく先頭に押し上げると、その後は後続の動きを全く意に介さず、ただただ前へ前へと押し進み続けたレースぶりが、それが全て鞍上の思い通りのレースだった事への、そしてそれを貫き通すだけの力を発揮してくれたパートナーへの、「よし」という言葉だったのかと思えました。 ★何度も「よし」と繰り返しながら引き上げてきた森騎手。様々な想いが詰まっていたのか レース後のインタビューでは「ミックファイアと戦うまでは負けるわけにはいかない」と森騎手が語ったそうです。とすると、こういうと今回の他の馬たちには申し訳ない言い方になりますが、ヒーローコールが見ていたのは東京ダービーで6馬身前にいたミックファイア、ここではその“仮想敵”を追い上げる戦いをしていたのかもしれませんね。 そのミックファイアの次走はダービーグランプリとなっています。ヒーローコールはどうするのか? この戸塚記念の際には調教師も馬主さんも不在だったためにその場で次走がどうなるのか?がはっきりしませんでした。再戦の舞台が盛岡になってくれれば非常に盛り上がると思うのですが、さて、はたして・・・。 もう一頭の“ヒーロー”マンダリンヒーローは2着でした。6馬身の差はつけられましたが、しかし道中はかなり苦心しながらエンジンをかけて、それで最後は3着以下を引き離す2着まで来たのですから十分に立派な内容だったと思います。 ★マンダリンヒーロー こちらはレース後の藤田調教師に少しお話を伺う事ができました。 「レースを振り返れば、ヒーローコールだけを見ていく競馬をすればよかったのかなと。それくらいのつもりでいけばもっと差は縮まっていたのかなとか思います。でも今日は改めて強いなと感じる内容でしたね。コーナーの多さを心配していましたけど良く走ってくれていた。鞍上も分かってうまく乗ってくれたと思います。次走は、このレースの前からずっと考えていたんですけども、他の馬の動き次第でダービーGPも視野には入っています」 コーナーで置かれ気味になってしまう分で差が拡がったとはいえ勝負所からはしっかりと伸びてきており、こちらも地力の高さは感じさせる走りだったのでは。 今回はコース形態的にヒーローコールの方がより力を出しやすい条件だったようにも感じるんですよね。大井であったり、あるいは盛岡であったりすると、また状況が変わってくるような気がします。 今回の結果で“勝負付けが済んだ”とするのはまだ早いと思いますね。 ところで森騎手が非常に力のこもった戦いを貫いて見せたのは、対ミックファイアだけでなく、先日急逝された左海誠二調教師への想いもあったのだろうと、いやあったはずです。 もともとヒーローコールは左海騎手が主戦を務めていて、同騎手の調教師転身に伴って森騎手にバトンが渡された形でした。黒潮盃の直後に左海調教師が亡くなられて、その後の最初の同馬のレース。冒頭で触れた「よし」の中には左海調教師に見せても恥ずかしくないレースができた、やりきった、という気持ちもこもっていたのだろうと自分は想像していますが、それは想像のしすぎでしょうか。 “最後”のダービーグランプリ。ミックファイアが予定通り出走すればチャンピオン格という位置づけになるのは、これはもうどうしようもないですけども、あわよくば一矢報いてやろう、下剋上してやろうという猛者たちが集まってきてくれるのももちろん大歓迎ですし、その中にヒーローコール・マンダリンヒーローの名があれば、レースの厚みがさらに増すのかなと思います。その時を楽しみにまちましょう。 ★ところでゴール後の“サムアップ”ガッツポーズ。ゴールして、ハッと何かに気づいたような感じでこのポーズ。見ていたカメラマンたちの意見として「スタンドに誰か関係者がいたのではないか?」「しかしカメラを順番に見ていくような感じで目線が来ていた」。いつか種明かし、教えてください・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年09月15日 16時48分57秒
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