断食道場奮闘記・・・外伝・2
別府人は銭湯と言う言葉を使いません。単に・・風呂・・温泉・・という言い方をします。ほとんどいつでも入れますから、家にある風呂場のような感覚で、温泉を使います。別府はどこを掘っても温泉が出るようなのですが、すでに新たな採掘は禁止されています。今は風呂釜も簡単につけられるようになりましたので、温泉が出ない家でも、家に風呂場がないところは少ないでしょうが、かつては家に風呂場のないところがほとんどでした。 朝と夕は湯桶を抱えて、風呂通い・・・夏は男がステテコ姿で・・・と言う情景は別府のどこでも見られたものです。まさに風呂上りに下着姿で家の中を歩くような感覚だったのです。ホテルに泊まって、ホテルの立派な温泉に入るというのもいいでしょうが、別府の情緒を楽しみ、知ることは、案外、この小さな温泉場での世間話や雑談の中にあるのかもしれません。少し小さく、湯あかで汚れて見えるかもしれませんが、毎日、力を込めて清掃はしているのです。湯あかは本当の天然温泉の証なのです。 市内には多くの温泉場があります。道場に来られる方の多くが言われます・・・別府は病院と銭湯の多いところですね・・・と。散歩や散策をすると、よく目に付くようです。 俗に言うところの銭湯は、市営温泉、区営温泉、共同温泉に分かれます。地元の人間が日常的に使うのは市営温泉と区営温泉。中でも区営温泉です。字でお分かりのように、何々区ごとに大体ひとつの温泉場があります。ほとんどが歩いて数分という距離です。この区というのはおよそ町と同じエリアと考えればわかりやすいと思います。・・・道場のある秋葉町はそのまま秋葉区となります・・・1階が温泉場で、2階が地区の公民館という作りです。風呂場は男女に分かれ、40度前後の浴槽と少し高めの浴槽の2つが設置されています。もちろんお湯は浴槽からあふれ、使い放題です。 かつて他の町で生まれて初めて入った銭湯で、びっくりした洗髪料なんてものはありません。入浴料は、1ヶ月30回で1000円前後です。区外の人の入浴も自由ですが、入浴料は少し高くなります。入浴時間も朝の6時30ごろから夜の11時ごろまで、朝の出勤の前に、風呂に入って・・・と言う人もおられます。 市営温泉は少し規模が大きくて、入浴料も1回100円ほどです。最近、富に有名になった竹瓦温泉はこの中に入ります。この市営の中には観光客用に作られているものがあり、展望浴場があったり、宿泊や軽い運動のできるところもあります。そして共同温泉、何軒かが集まる地域で、その住民たちだけが使っている個人所有の温泉です。 別府は、今、古き良き時代の別府を知ってもらおうと、そしてそこにこそ別府の本当の良さがあると・・地域の人たちがボランティアで町の隅々をガイドして歩く・・路地裏散歩・・という観光ガイドが盛んになっています。 続きます・・・