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肉をつなぐ酵素であるトランスグルタミナーゼは安全なのか
食肉加工はくず肉からステーキを作り出す。豚肉の切り落としを集めて、1枚のとんかつ用肉にする時にも使われている。 食肉加工業界で脂肪を赤身肉に注入し霜降りにするインジェクションとともに重宝されているのが、酵素「トランスグルタミナーゼ」である。この酵素には、タンパク質とタンパク質をつなぎ合わせる結着効果がある。現在は食品の粘弾性の強化のために、使われています。製品名アクティバ(味の素株式会社) 食肉業者が処理に困るのが、肉塊からトリミングで取り除かれた肉片だが、この肉を集めて、トランスグルタミナーゼを混ぜれば、冷蔵庫の中で牛角切りステーキ用の肉に早変わりする。 この「魔法の酵素」の存在が、食中毒を起こす病原性大腸菌のリスクを高くする。そもそも病原性大腸菌は反芻動物などの腸壁に存在し、宿主動物には無害である。しかし、解体、調理の段階で生食用の部位に混ざると食中毒を起こす。病原性大腸菌による食中毒 トランスグルタミナーゼは酵素の一つであり、主にタンパク質とタンパク質をつなぎ合わせる(架橋する)活性を持ちます。微生物から哺乳類まで多種多様の生物が体内に有し、さまざまな生命活動に利用しています。ヒトにおいては癌、心筋梗塞、アルツハイマー病、小麦アレルギーなどの疾患とのかかわりも注目されています。 トランスグルタミナーゼは、小麦、ライ麦などに品質を上げるために使われている。(生地を強くする効果)その酵素反応は、小麦タンパクのグリアディン上の架橋もしくは、脱アミド反応によっている。その反応によって新しくアレルゲンになる可能性が高い。 欧米諸国では、この酵素の働きが小麦タンパク質にアレルゲンとしての性質を与えてしまう(セーリアック病)ことが、知られて多くの患者がいます。 まだ研究が進行中ですが、様々な神経疾患(アルツハイマー病など)の原因にも、このタンパク質接着架橋が絡んでいるのではないかと言われていて、いくつかの報告があります。神経細胞内で異常に架橋形成が起こって、タンパク質が細胞の中で固まり(不溶性沈着物)となって、有害になるという説が上げられています。 人には血液凝固因子を含め七種類のトランスグルタミナーゼが知られていて、神経や皮膚の再生には重要な働きをしている。 ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュ、ウニなどの発生学、形態形成の研究のモデル動物にも、高等動物と同じような構造をしたトランスグルタミナーゼが存在しています。今、このような動物をモデルにして、遺伝子をノックダウン(転写されなくする)した変異動物が作製され、そこからタンパク質接着反応の意義を見出す、という研究が行われつつあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年06月22日 05時06分31秒
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