|
カテゴリ:カテゴリ未分類
先週になりますが、京都からお越しの方々にミカン狩りをしてもらいました。季節的に極早生にするか早生にするか迷いまして、今回は旨みより甘みを優先して極早生にしましたが、喜んでもらえたようで良かったです。
ところでミカンを作っているという話をすると必ず聞かれる質問がふたつあります。1)どんな畑が良いのですか? というのと 2)美味しいミカンの見分け方は? というものです。1)に関しては、もっと直接的に「段々畑のミカンが美味しいのですか」とか「どこそこ(産地)のミカンは美味しい(または不味い)ですね!」と言われることもあります。 段々畑の良い点は排水と日当たりの良さです。ミカンに乾燥ストレスを与えて果汁濃度を高める、というのが現在もっともポピュラーな方法です。ただ、それとは逆に、夏の間は養水分をしっかり与えて光合成能力を高め、生成される糖の絶対量を増やす、という考え方もあります。そうするとかえって、特に完熟栽培では水田転換の肥沃地のほうが良いのではないかと思えるときもあります。ちょっとの雨でぬかるむようなところではダメですが、3~4年草をはやし続ければ、そうとう排水がよくなります。 日当たりについては、平地の畑であっても間伐と剪定でカバーできます。そのぶん反収が減るのは致し方ないことでしょうが、労働時間から考えると効率は上かもしれません。詳細は省きますが「早出しの極早生なら北向き斜面のほがいい」という考え方もあるのです。 いろいろ考えると、「園地のよって条件の違いがあり、どのようなミカンを目指すかによって良し悪しがある。でもそれは、作り方である程度カバーできる。しかしあまりにも条件が悪いと、経済的に成り立たない場合がある」というあたりになるのではないかと思います。 後者については、共同選果されたミカンであれば産地の自然条件や指導される技術の違いによってそれぞれの特徴があるのかもしれません。ですが農家を指定して買う場合は産地としての違いより作り方の違いのほうが大きいと思われるので、あまり意味のない問いかけということになってしまいます。また、産地間の違いと思っていたものが実はそうではなく、運送会社や小売店での扱いの違い、ということもあります。 そもそも美味しいミカンって、どういうものなんでしょう?9割の人がそこそこ納得するミカンをつくるのか、5割の人が好んで買ってくださるミカンを作るのか、極少数のお客様だけが、熱狂的に支持してくださるミカンをつくるのか。評価の基準も一様ではなく、「良い、悪い」「美味しい、不味い」というだけでは割り切れないものを感じます。 では私がどんなミカンを目指しているのか?また、そういうミカンを見分けるにはどうするのか?ということですが、理屈をこねすぎて疲れたのでまたの機会に。 IMGP1707 posted by (C)熊野どいらいファーマーズ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.17 09:58:42
コメント(0) | コメントを書く |