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テーマ:ミステリはお好き?(1475)
カテゴリ:読後レビュー(今野敏)
2023年6月11日 ★★★★ 4月に隠蔽捜査9を読んだあと短編集としてスピンオフの隠蔽捜査9.5が出版されていることをしり、とりあえず地元の図書館で予約していたのだが、先週図書館から呉勝浩の「爆弾」に引き続き確保されましたと連絡があり、大森署の署長から神奈川県警刑事部長へ移動したあとの竜崎伸也の主に脇役の奮闘が描かれた短編集を隠蔽捜査3.5や5.5の時と同様期待して読んでみることにした。 米軍から特別捜査官を迎えた件で、警察庁長官官房に呼び出された竜崎伸也。審議官からの追及に、竜崎が取った行動とは――(表題作)。 キャリアへの反発心を隠さないベテラン捜査員。手続きばかり面倒な捜査本部立ち上げに抗議しようとするも、新任の竜崎刑事部長はこれまでのキャリアとは一味違うようで……(「専門官」)。 どんな時も原理原則を貫くキャリア・竜崎伸也の周囲で日々まき起こる、本編では描かれなかった9つの物語。 家族や大森署、神奈川県警の面々など名脇役たちも活躍する、大人気シリーズ待望のスピンオフ短編集。(Amazon紹介文より) まず先日、隠蔽捜査9の読書後感想で本シリーズをスピンオフの3.5と9.5を入れると11作と書いてしまったが5.5と合わせて12作であることをここで訂正しておきます(原文は触らないつもり)。 本作は舞台を大森署の署長から神奈川県警の刑事部長に移動後の竜崎のいつものスカッとした作品もあるが、主に脇役達の視点で書かれたスピンオフ作品で以下の9つの短編集から構成されている。 「空席」竜崎署長が去ったあとの大森署署長空席での斎藤警務課長の奮闘する話。「内助」竜崎の妻がニュースでみた事件を独自に調査し、事件解決のヒントを見つける話。「荷物」竜崎の息子がまた薬物疑惑に巻き込まれる?の話。「選択」竜崎の娘が痴漢被害に関わり警察捜査や会社で不条理な扱いにあう話。「専門官」神奈川県警にもいたキャリア嫌いの刑事の話。「参事官」不仲な二人の参事官を竜崎が見事に仲介する話。「審議官」隠蔽捜査9の後日談で米軍検査官の事件介入の責任を竜崎が問われる話。「非違」大森署新女性署長とった竜崎とは違った戸髙の対応での見事な解決ぶりの話。「信号」安全を担保されている信号を無視するかどうかの話。 どれも面白く一癖も二癖もある作品で楽しめたが、特に「審議官」は隠蔽捜査9を読んだ後なのでリチャードの最後の登場など格別でした。次作が出るのが待ち遠しい〜
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最終更新日
2024.07.19 23:30:32
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