新緑ののぶさん菜園 ~ 雑草から草魂 そして 江夏の21球 ~
初夏の陽光を浴び草木は緑に溢れている 我がのぶさん菜園も例外ではない 雨上がりの朝に漸う朝日が木々に差し掛かる様は、生命力に漲り、自然の力強さをまざまざと感じさせずにはいられない 生命の息吹は至る所にある 就中、どんな状況にもめげずに育っている雑草たちの逞しさには圧倒されるばかりである そんな雑草の逞しさを座右の銘にしていたのが近鉄バッファローズの大エース鈴木啓二であり、ジャイアンツから大リーグに移り活躍した上原浩治投手である 上原浩治の雑草魂に対して、 鈴木啓二の座右は草魂である 音の響きや言葉面は、明らかに鈴木啓二の草魂の勝ちである 「草魂」とは何とも良い響きである 鈴木啓二によれば、草魂とは彼の造語ということである 鈴木啓二の所属していた近鉄バッファローズは、1976年から1982年にかけて、宿毛で春季キャンプを実施していた そんな関係もあり、近鉄バッファローズは馴染みのある好きな球団だった 何故、キャンプ地に宿毛を選んだのか 当時の近鉄の監督だった西本幸雄は「宿毛は繁華街がなく、且つ交通もよくないので、かえって野球だけに集中できる」として、敢えて宿毛をキャンプ地に選んだと臆面もなく言いきっている その言い草や何とも曰く言い難しである 確かに宿毛市は便利の良いところではないのであるが、そこまで言わなくていい それでも平然と言って退けてしまうのが、昭和の頑固おやじ西本幸雄である 名将西本幸雄は、監督として阪急ブレーブス、近鉄バッファローズで8回日本シリーズに出ているが、残念ながらついぞ日本一になることはできなかった 今でも語り草に思い出されるのが、1979年の近鉄バファローズ対広島東洋カープの日本シリーズ第7戦である 広島・江夏豊が9回裏に演じた投球内容は「江夏の21球」として、山際淳司によって、ノンフィクション作品として物語られている まさに手に汗握る世紀の対戦だった ともに初優勝を目指す、近鉄と広島 軍配が上がったのは広島であり、 闘将西本幸雄率いる近鉄は、ついに日本一になることはできなかった 何とも監督とは難しいものである 現役317勝の大エース鈴木啓二も監督としては手痛い3年を経験している 「名選手必ずしも名監督に有らず」 この警句を地で行った監督時代であった 監督としては、散々な悪評をのみ残したのであるが、草魂に込められた鈴木啓二の選手としての名誉が損なわれるものではない どんな状況になっても、強く逞しく生き抜いていく、まさに雑草のごとき逆境を物ともしない稀代の漢である 多少癖があり、口が過ぎるきらいはあるのだが、 一般人が生中に真似出来るレベルの人物ではない 雑草の生い茂った菜園を見ながら、とりとめもない事があれこれと思い出される 雑草は雑草であるなどと野暮を言うつもりもないし、泥臭い彼らの生きざまには共感することも多々ある 私などが真似することはできないことは云う迄も無いのであるが 只々 その生命力の幾許かでも頂ければと思うばかりである☆*: .。. o(≧▽≦)o .。.:*☆