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テーマ:ほんまもん(20)
カテゴリ:芸能・文化・アート
浪速のシンボル・通天閣で、6月11日と7月28日に、ジャズイベントが相次いで開かれる。〈仕掛け人〉が、地元で履物店を経営する傍ら、ジャズ専門のCDを制作する澤野由明さん(57)だ。「ジャズは敷居が高くなく、雑多な空気が流れる新世界に似合う。意外な組み合わせで、聴衆をあっと言わせたい」。
通天閣北側の商店街の一角。「澤野工房」に足を踏み入れて驚いた。約20平方メートルのスペースに、履物とCDがずらりと並ぶ。不思議な取り合わせだが、澤野さんは「僕にとっては自然。無理をしない家業があってこそ、大好きなジャズを広められる。狭いところやけど」。 大学の入学祝いにステレオを買ってもらった。サックスの響きに、心地よさを感じ、のめり込んだ。「売り上げで、1日1枚レコードを買えるぞ」。高度経済成長で新世界もにぎわっていた1972年、父に口説かれて履物屋を継ぎ、閉店後は毎夜のように、目当てのジャズ盤を求めてレコード店を巡った。 80年にレコード販売会社を設立。演奏家との交流を深め、98年にCDの独自レーベル「澤野工房」を発足させた。無名のアーティストを発掘し、9年間で108枚を仕上げた。 コンサートも手がける澤野さんはいつしか、通天閣でのライブ開催を夢見るようになった。念頭にあったのは、レストランや土産物店の撤退後、ほぼ使われないままになっている3階展望ホール(25メートル四方)だ。 通天閣を運営する「通天閣観光」に貸し出しを依頼すると、旧知の高井隆光・副社長(32)は「くしカツに代表される街に、大人の文化が混じり合うのも面白い」と快諾してくれた。 手始めに2005年12月にジャズ演奏のDVDを収録した。予想以上に良好な音響で、夜景も見渡せた。ホール空間には柱が放射状に並び、エレベーターが中央を貫く。それでも、角のL字型のスペースを舞台にすれば、夜景をバックに2方向から演奏を見てもらえる。「これならいける」。澤野さんは成功を確信した。 6月11日のライブは「Live At 通天閣」と銘打ち、午後7時開演。DVDに出演した米国在住のミュージシャン北川潔さん(ベース)ら3人が、展望ホールでモダンジャズを響かせる。料金は前売り3500円、当日4000円。 7月28日は、大阪市浪速区が定めた「なにわ(7・2・8)の日」で、これに合わせ、同区が澤野さんの協力で「ジャズフェスタ」の準備を進めており、展望ホールがメーン会場となる予定だ。 「くしカツの店があるように、新世界を訪ねるとジャズが聴ける。ニューオーリンズとまでは言わないが、気軽にジャズを楽しめる街になればうれしい」と澤野さんは力を込め、通天閣そばのバー店主、田中光彦さん(64)は「ディープな街から生まれるジャズをみんなで応援したい」と歓迎する。 「Live At 通天閣」の問い合わせは澤野工房(06・6641・5023)。(参考=読売新聞) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年05月26日 00時26分06秒
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