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カテゴリ:笑左衛門 残日録
笑左衛門残日録 蟄虫ですよ ~蟄虫が 世間を覗く霜の朝 春まだ遠し 凍りつく夢~ 拙作 笑左衛門さん、相変わらず暗いねえ、春でございますよ、、 う~んと伸びをして、そろりそろりと歩き出しましょうよ、 冬ごもりをしていた虫たちが土の中からもぞもぞと這い出してくる啓蟄ですよ。 「でもねえ、穴から出てくる虫を狙ってるやつがいるんですから ご注意!でござんすよ」 寒い冬の間じっと我慢してきた虫が泥の中から這い出してきて、 世間を覗いた途端 鳥に啄ばまれてしまうことがよくある。 えっ、いってえ、何のための人生だっ! ~啓蟄を 咥えて腰振る セキレイよ~拙作 武士の世も同じ、江戸城にも奉行所にも 暗い穴から覗いちゃいけねえ部屋が控えております。 頭を出して、覗いて、ちょん切られた正義の武士は数知れませぬからな、 長い間、幕府の役人暮らしをしていれば、啓蟄を喜んではいられぬ 心境になるのでござりまする。 それでも、おたまじゃくしが蛙になり、若侍や娘が浮き浮きする季節になったのだ。 「お筆さん、炬燵をしまいましょうかね、、」 「そうでございますね旦那様、春は自分で呼ぶものでございますからね、」 隠居所の庭で犬がくんくん、土の臭いを嗅いでいる。 泥の中には何がいるんだい? ~啓蟄の 虫に一驚 犬吠える ~拙作 ~啓蟄や 子供裸足で 走りたる~拙作 つづく 笑左衛門
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最終更新日
2023年03月24日 10時30分07秒
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