|
カテゴリ:小説 桃色頭巾参上!
幕末 桃色頭巾参上! 第二話、 桃の助誕生! ご落胤 喜ばしいのか 邪魔者か 女を捨てて 男になりて 「で、どん兵衛、これは極秘中の極秘、そなただけに申すのだが、 実は先に崩御なされた家慶様には楓という伊賀忍者のくノ一と間に 御落胤がいたのは話したとおりだ。 楓は広敷番の伊賀忍者風狸(ふうり)の手を借りてお局御門から小舟に乗り、秘密裏に江戸城を抜け出し、渋谷村の百姓家に身を隠して暮らし、無事女の子を産み桃華と名付け育てていたが、桃華が10歳の時に、御年寄の姉小路をよく思わない、 大奥上﨟の指図で楓は暗殺されてしまったのだよ。」 「大奥にの女は執拗なのでございますね、」 「なにせ、2000人もの女集団だ、大奥の中は権力争いでぐちゃぐちゃなのだ、 故に伊賀の者が入り込む隙もあるのだがな、、 楓暗殺の沙汰を耳にした家慶様は、桃華の命も危ないと察し 伊賀忍者の末裔である儂、岩窟武太郎のところへその桃華という娘を預けたのだ。 何せ、徳川家に十代も仕え、幾度となく徳川幕府を救った 生粋の徳川信奉者じゃ、伊賀の隠れ家が一番安全と踏んだのであろう。 家慶様には14男13女ものお子が生れたのだが、 20歳まで生存したのは12代将軍家定様だけだったので 余計に楓の子の桃華の命を守りたかったのだ。 道場は女人禁制であるとお断りしたのだが、 桃華を桃の助という男として育て、武芸の修行を教えてくれと懇願され、 伊賀実戦武道塾の門下生として預かることになったのじゃ。」 桃華は髪をバッサリと切り落とし、木綿の着物姿の若侍に変身し、 ~本日より、男子桃の助として、伊賀武芸の修行に励みまする。 拙者もご師範同様金玉などという下劣なものは切り捨ててございます。~ と、言い放った。 「ほう、あの桃の助殿が女だとは知りませんでした、」 「こら、これは内密だぞ、間違ってもどん兵衛、色目で見る出ないぞ、」 桃の助殿さすがに将軍のお子さま、筋がよく、見る見るうちに 腕を上げ、他の門下生にも勝る腕前になり、免許皆伝となったのじゃ。」 「へえ、大したもんでござりまするな、して、今桃の助殿はどこにおられるのじゃ、 伊賀の旦那、少々、寂しいのじゃございませんか、」 「馬鹿を申すな、日本橋通油町にある伊賀屋というの茶問屋で、 桃の助と伊賀者の老忍風狸(ふうり)それにサヨリというくノ一と暮らし、 草となって、伊賀の密命を待っているのじゃ。」 「それで、伊賀の旦那、あっしの御用は? はあん、その茶問屋と、桃の助殿を何気なく見張れということですか、」 「察しがいいな、どん兵衛、くれぐれも悟られぬように頼んだぞ、、」 つづく 朽木一空
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年05月06日 10時30分08秒
コメント(0) | コメントを書く
[小説 桃色頭巾参上!] カテゴリの最新記事
|