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カテゴリ:小説 桃色頭巾参上!
幕末 桃太郎頭巾参上! 6 第六話 伊賀岩窟武太郎と同心康十郎との密談 江戸の町 悪が悠遊 住みやすい? そうはさせぬと 徳川家来 「岩窟武太郎どのも御承知のとうり、京での長州薩摩の動きは激しさを増し、 諸藩の日和見主義で徳川幕府の権威は失墜しており、 脆弱さがますます強まっておる。 最早、江戸の町は悪が住みやすい町になっておるようじゃ。 偽悪、凶悪、強悪、極悪、邪悪、小悪、微悪、あらゆる悪が入り乱れ跋扈しているのだ。 薩摩藩が匿っている浪人たちは黒頭巾群団などと申して 徒党を組み大店や両替商、札差たちに江戸を守るための御用金を出せと無理強いして金を強請っている。 それだけじゃない、不穏な動きの種は疑えば切りがない。 三年前の江戸城本丸・西丸が炎上したのも、 江戸城に忍び込んだ間者の仕業ではないかと拙者は睨んでいる。 幕府も奉行所も手が回らぬ、おまけに町奉行所では手を出せぬ事件も多くて、 このままでは江戸は腐ってしまう。得心を頂ければ、伊賀実戦武道塾のお力を拝借したく参ったのじゃ。」 「うむ、、、、」 岩窟武太郎は目を瞑ってじっと動かない。 「江戸の町の治安を守れなければ、長州薩摩たちの尊王攘夷派とは戦えない。 江戸にはびこる悪たちを徹底して取り締まりたいのだ。家康公以来、徳川を守ってきたのが伊賀だと拙者は信じて参ったのだ。 ぜひとも、徳川幕府存続のために力を貸してもらいたい」 「承知仕った。江戸幕府200年の間、幕府を陰で支えてきたのは伊賀だ。 今迄にも、幾度も徳川の危機はあったのだ、将軍暗殺を未然に防いだのも一度や二度ではなかった。 いまこそ、我ら伊賀の残党が徳川に恩義を返す時なのじゃな。」 「ありがたい、伊賀実戦武道塾の岩窟殿が加勢いただければ心強い。」 つづく 朽木一空
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最終更新日
2023年05月14日 10時30分07秒
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