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江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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2023年10月03日
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​​将棋指し、座頭の飛吉8、​​
 おまけの弐、



 ​~将棋の殿様~​​
ある殿さま、ふとしたことから将棋に懲り、家来を相手に毎日熱中する。
それはいいが、自分が負けそうになると決まって、
 ~お取り払い~
 つまり、王手の駒を強制的に除かせたり、~お飛び越し~
 飛車が金銀を飛び越えて成ってしまったりと、やりたい放題。
家来が文句を言うと、
「主の命に背くか」
と居直るので始末に負えない。
これでは連戦連勝は当たり前で
「うーん、その方たちは弱いのう。鍛えてつかわさんため、
今日からは負けたる者は、この鉄扇で頭を打つからさよう心得よ」
始まれば、お取り払いにお飛び越しで、殿さまは負ける気遣いはないから、
家来の頭はたちまち瘤だらけ。
そこへ現れたのが御意見番の三太夫という、骨のある爺さん。
しばらく病気で出仕しなかったが、お飛び越しの一件を聞くと、
これは怪しからんと憤慨し、さっそく殿さまの前へ。
殿さま、三太夫に子供の頃から育てられているので、三太夫は大の苦手。
いやな爺が来た、と渋い顔をするが、三太夫はいっこうにかまわず
「将棋は畳の上の戦、軍学の修練にもなり、武士の嗜みとしては大いにけっこう。このじいも、年は取ってもまだまだお上のごときなまくらには負け申さん。
 たちまち、お上のおつむりを瘤だらけにしてお目にかけるが、もしお上がお勝ち遊ばし、
 それがしの白髪頭をお打ちになっても、戦場で鍛えし鋼のごとき頭、ご遠慮は無用」
と、挑発した。
それで殿さまも熱くなり、このくそ爺、ほえ面をかくなと、試合開始。
家臣一同、あのうるさいのが瘤だらけになるところを見たいと、
ワクワクして見守る中、みるみる殿さまの形勢悪くなり、案の定
「これ、その歩で桂馬を取ってはならん。主命じゃ。控えよ」
「これはけしからん。戦場においては、君臣の区別はござらん。桂馬は侍、歩は雑兵。それが一騎当千の侍を討ち取るときは、末頼もしき奴。
帰城の折りは取り立てつかわしたく存じますに、敵の大将がとやかく申したからとて、その言葉に従えましょうや」
理屈でくるから、どうにもならない。
お飛び越しを命じると
「飛車は軍師、その軍師が陣法に従わず、卑怯未練にも道なき所を飛び越して参るとは言語道断。首をはねて梟木に掛けますから、お引き渡しを」と、くる。
とどのつまり、殿さまは実力通り雪隠詰め。
剣の心得のある三太夫に鉄扇で頭を思い切り打たれて、殿さま、涙ポロポロ。
「うーん、一同の者、盤を焼き捨てい。明日より将棋を指す者は、切腹申しつける」
 ~二代目禽語楼(きんごろう)小さん落語演目~より
講談の「大久保彦左衛門将棋の意見」を落語化したものと云われている。
笑左衛門





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最終更新日  2023年10月03日 10時30分07秒
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