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カテゴリ:江戸川柳、俳句、狂歌、端唄、
江戸川柳 吉原お化け ~つね体の なりでばんとう どらを打ち~ どらを打つとは道楽をするという意味でございます。 ~すががきの 中を手代は 出て帰り~ 「てっ、ご隠居、店者(たなもの)の独り者も寂しいもんでございますよ。 男同士の慰みも好きこそものの上手なれなんて申しますが、 やっぱり女子の肌が恋しいんでございますね。 いやあ、これから吉原の始まりだというのにねえ、、、 でもねえ、花の吉原へ、なんとか旦那の目をごまかして 足を延ばすのでございますが、無論夜に店を抜け出すこともできずに、 安価ですます昼遊びなんですね、」 「それでも、遊べるだけいいじゃねえか、、」 「でもね、ご隠居、銭だけの問題じゃあないんです。時でございます。 六つ時(午後六時ころ)になりますと、吉原の女郎が総出で見世先に並び出て、 一斉に三味線をじゃらじゃらと鳴らすのでございます。 さあ、これからが吉原の幕開けでございますという合図で、 この三味をすががきともうしますがね、 悲しいかな、店の奉公人の番頭や丁稚はこの時刻には店に戻らねばならぬのでございますよ。、 ああ、あの華やかな、吉原の本当の夜も知らない江戸暮らしなのでございます。 可愛そうでございますね、饅頭の皮だけ食べて餡が食えねえような気持ちでございましょうかね、」 「それで、彦五郎は夜の吉原を知ってるのかい?」 「それが、銭が乏しくて、それでね、隠居に教えていただきたくて、、」 「吉原なんてのはな、 田んぼの真ん中にあってな、暮れ六つも過ぎれば辺りは真っ暗よ、 吉原遊郭だけに闇夜の灯がともり、三味の音とじゃれ声が轟く響き まるで生き物のように蠢(うご)めいているのじゃよ、 薄気味悪いところじゃよ、彦五郎なんざ、金玉が縮み上がっちまって、 役に立たねえかもしれねえな、」 「それじゃあ、まるで吉原お化けでござんすね、、」 笑左衛門
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最終更新日
2024年03月05日 10時30分08秒
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