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カテゴリ:江戸川柳、俳句、狂歌、端唄、
江戸川柳 番頭の女房 きびしいかな、丁稚奉公、 ~ばけそうな 花むこの出る するが丁~ 「ご隠居、日本橋の大店の番頭ともなれば、そりゃあ、大出世でございましょうねえ、」 「そりゃあ、苦労が着物着てるみたいな努力をしなきゃなれないね、 彦五郎が番頭にでもなったらお日様が西から昇るだろうな、」 日本橋駿河町あたりの大店の番頭は苦労の大変なのでございます。 丁稚小僧に奉公してから手代になるのに最低14年位掛かり、 それからまた頑張って、小頭役になれるのです。 まっ、そこからが大変でございまして、厳しい丁稚奉公から始まり 店の番頭になるのには少なくとも30年はかかりますね。 てなもんでございますから、丁稚から番頭になるには早い人でも 四十を超える、並みならば五十を過ぎるでございましょうな。 番頭になるまでは、店の外に家を持つこともできず、当然ながら女房も持てないのでございますよ、 上の川柳は、日本橋駿河町の大店からは、よぼよぼになった婿さんが出てくるに違いないだろうと、穿った見方をした川柳でございましょう。 それでも、お嫁さんをもらえたということは大変幸せであったのです。 石部金吉のような堅物で真面目で要領の悪い番頭になりますと 嫁さんをもらう時期を逃してしまう者がおおいのです。 ですが、堅物でも男でございますから、内緒で妾を囲うとか、 こっそりといい人と密会するとか、そのうちに子供ができて産まれるのも 男と女の世の流れでございますな。 ですが、堅物男の番頭は主人に打ち明けることもできずに、 いよいよ死ぬ段になって、 ~実はあっしにはどこそこに子供がいるんで後を頼みます~ と、泣き泣き告白するという悲劇もあったのでございます。 ~ばんとうの まつごに子ある ことをいい~ なんて川柳があるくらいでございます。 まっ、一番目出たいのは、 ~番頭は 内の羽白を しめたがり~ でございましょうかね、 ~羽白とは歯が白いこと、既婚者はお歯黒にするので、鉄漿(かね)をしていない娘 のことでござんす。つまり、店の娘をものにしようという魂胆でございまして、 手っ取り早く旦那に気に入られて、家の娘を嫁にしてしまおう、そうすれば色と欲の二筋道がうまくいくのではないか、と番頭はみなうずうずしているのです。 ~ご隠居、あっしは 遊び人の彦五郎で幸せでござんすね、~ 笑左衛門
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最終更新日
2024年03月07日 10時30分10秒
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