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江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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2024年03月10日
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   ​​     自身番  1
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​​  定廻り同心​​
北町奉行定廻り同心日下部退蔵は八丁堀の組屋敷を出て、
辰の刻(午前八時)には奉行所に顔を出し、挨拶を済ませると、早々に江戸の町へ
繰り出した。
 日下部退蔵は北町奉行所に六人いる定廻り同心のひとりだ。
髷を小銀杏髷に結い、黒の紋付羽織に縞の着流しに雪駄の粋な身なり、
腰には大小の刀と十手を挿し、手下の者(手先、目明し、岡っ引き)二三名を従えて、定められた地域の江戸の町を巡回する定廻り同心は町人とは顔馴染みで、
 「八丁堀の旦那」と親しみを持たれていた。
定廻り同心の仕事は江戸の町内の警備、犯罪捜査、犯罪者の捕縛といったところだが、事件がないからといって、江戸の町をぶらぶらしているわけではなく、
何か異変がないかとお江戸八百八町にある自身番屋を巡回し、申の刻七ツ(午後四時)には奉行所に戻るのが日課であった。
 俸禄は30俵2人扶持という薄給(現代だと月給十五万円位)の下級役人だが、
 諸大名家や町屋からの
 ~何かがあったらよろしく~
 ~目こぼししてくだせえ、~
 という意を込めた袖の下や付け届けがかなりあり、
 定廻り同心は俸禄よりも余禄の方が多くて袖の下が重たい、
 お得なお役目だと減らず口を叩く町人もいたほどだ。
 だがそんなに甘いことでもなく、
  定廻りの仕事の範囲は広く、探索には私的に岡っ引きや密偵を雇わなければ仕事はこなせず、出費も多かったのだ。
 江戸の町には千六百以上の町がありすべての町に自身番があるわけではないが、
 それでも自身番は凡そ千か所は下らなかった。
 定廻り同心は担当地域の自身番屋に声をかけながら町を巡回して歩くのである。
 北町奉行定廻り同心日下部退蔵は250箇所以上の自身番を受け持っていた。
  定廻り同心が手先を連れ、町々の自身番屋の前にくると、
 「番人!」と声をかける、
 自身番の中にいる番役人が「ハァー」と返事をし、
 「町内に何事もないか」と問うと「ヘエーエ」と答えると、
  次の自身番に足を運ぶのである。
 自身番は町が維持し運営し、町内の寄り合い相談場所にもなっていた。
 自身番に詰めている者は交代で町内を見廻り,
 公用も務め、火の用心をし、町内のいろいろな雑務をこなしたのである。
 自身番は集会所でもあり、消防、警察署、兼交番でもあり、
 犯罪人を留置したり、定廻同心が咎人の取り調べを行うこともあった。
 また、自身番は火の番も重要な役割であり、屋根には梯子(火の見櫓)や半鐘が備えられていていざの時には半鐘を鳴らすのも役目の一つであった。
 そんな役目がら、自身番には、捕り物道具(刺叉、突棒、袖搦、捕縄捕具)や、
火消道具(竹梯子、大団扇、鳶口(とびぐち)刺股(さすまた)玄蕃桶(げんばおけ)纏(まとい)鳶口、竜吐水 (りゅうどすい)、釣瓶(つるべ)が用意されていた。
 自身番屋の半鐘が鳴らされると町役人・火消人足が自身番に駆け付け、
 勢揃いしてから火事場に赴くのであった。
 江戸の町々にある自身番は、役所と警察、消防の役割を担う重要な役目を担っていたのである。
 つづく  朽木一空
 





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最終更新日  2024年03月10日 10時30分10秒
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