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テーマ:お勧めの本(7400)
カテゴリ:お勧めBOOK
陰日向に咲く2006.01/単行本220p
◇内容◇ ホームレスを切望するサラリーマン、老婆を騙そうとする小心ギャンブラーら、落ちこぼれたちの純真を愛と笑いで包み込んだ珠玉の連作小説。お笑い芸人として活躍する著者のデビュー作。 ****************************** 劇団ひとりは、ネタ本としてこの本を書いたら編集者に 「これはエッセイじゃないですか」といわれたらしい。それも、かなり質がいいと 本の中には、いろんなキャラが出て、オムニバスになっている。ものの、みんなそれぞれリンクしていて、どこかでチラホラ顔を出している。まさに、伊坂幸太郎ワールドのように。 文中で面白かったのが、1話でホームレスに憧れたサラリーマンがある青年との出会いを気に "脱ホームレス"を心に決める。その出会いというのが、ゴミ箱の弁当争奪戦なのだ。青年は、 殺気立っていて、サラリーマンはその迫力に圧倒される。それで「俺みたいな奴は、こんなホームレスには勝てない」と、サラリーマンに戻るのだが。 その青年は2話にでてくるアイドルの追っかけ青年。そう。決してホームレスではない。 しかし!アイドルにお金を費やしているので、食う金がないのだ! この2話にも、サラリーマンに復活した彼のその後も垣間見ることができる。 ****************************** <総評>★★★★★ この人自体が、いろんな役を作り上げて何役ものキャラを持っているので、 読みながら劇団ひとりが舞台で演じているのが目に浮かぶようです。 でも、文章もうまく驚きました。それでいて最後にはジンとくるものがあります。 重くなく、サラッと読めて、なおかつ心に残る。そんな一冊ですね。おすすめです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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