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October 9, 2007
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カテゴリ:不登校
Q.私の子どもは起立性調節障害と診断されています。でも5月10日の毎日新聞に「うつ状態:中学生の4人に1人 厚労省調査」と報道されました。症状がよく似ているそうですが、私の子どもはうつではないでしょうか?

A.
とても大切な質問ですね。今回の調査にどのような質問項目が使われたのか情報がありませんが、2年ほど前に中学生にうつが多い、と言いだしたのはある精神科のグループです。かれらはつぎのようなチェックリストを使っています。

●身体症状
1.途中で、または朝早く目が覚める
2.食欲がない、体重減少
3.朝の調子が悪く、夕方から楽になる
4.体が重く、疲れやすい

●精神症状
5.好きなことが楽しめない
6.気力が出ない、何事もおっくう
7.集中できず、頭が働かない
8.気分の落ち込み、憂うつ感
(これらの症状のうち、4つが2週間以上続くと、うつ病の可能性)

このチェックリストで22.8%がうつ病予備軍だという調査結果を出しています。しかしこの解釈には大変に危険な落とし穴があります。
なぜなら、このチェックリストを使うと、うつ病よりも10倍以上も頻度の多い起立性調節障害の子ども達を、「うつ病」と誤診してしまうからです。

起立性調節障害の子ども達は、このチェックリストの8項目のうち、2,3,4,6,7,8の6項目が当てはまります。すなわち、質問票で調査すると、
起立性調節障害の子どもは全員うつ病と診断されてしまいます。これは、質問票の落とし穴で大きな間違いがあります。

起立性調節障害の子どもは、うつ病と同じような症状があるのは午前中だけなのです。夕方から午後には元気になり、好きなゲームを楽しくやっている、お笑い番組をみてゲラゲラ笑うなど、まったく普通になります。朝にはぜんぜん起きれずに、昼頃起きてきても気分が落ち込んでなにもやらず、ゆううつそうにしていても、夜には毎日お笑い番組をみてゲラゲラ笑っているなら、うつ病ではありません。一方、うつ病では好きなテレビ番組すら見ないようになります。

すなわち、このチェックリストには、
「夜には好きなテレビ番組をみて楽しく笑っている」
「夜には好きなゲームに熱中している」
という、うつ病を否定するような除外項目が抜けているのです。チェックリストしては不備なのです。
あなたのお子さんが、毎夜、お笑い番組をみてゲラゲラ笑って、家族とも楽しく会話しているなら、うつ病の心配はありませんよ。

日本小児心身医学会が作成した小児起立性調節障害診断・治療ガイドラインには、起立性調節障害とうつとの区別が大変に重要であることが認識されており、以下のような掲載があります。なぜなら、起立性調節障害に抗うつ剤をうっかり処方すると、起立性調節障害がさらに悪化して危険だからです。抗うつ剤には、起立性低血圧をきたす副作用があり、失神発作を起こしたケースもあります。あなたの子どもさんが、もし抗うつ剤を処方されていたら、起立性調節障害の症状(立ちくらみ、ふらつき、失神など)が悪化しないか、充分に気をつけてくださいね。
 http://www.inphs-od.com/

起立性調節障害サポートグループのQ&Aより引用
==============================
<起立性調節障害の子どもにおける抑うつ状態の判定について>
 起立性調節障害(OD)の重症例ではうつ状態との鑑別が難しい場合がある。またまれに両者が合併する。治療方針の決定には抑うつ状態を判定する必要がある。これにはSDS(Self-rating Depression Scale)やCDI(Children's Depression Inventory)などの質問票が用いられるが、ODの子どもにこれを実施すると多くの子どもが抑うつ性あり、と判断されることになる。その理由はODの子どもの午前中の精神状態はまさに抑うつ的であり、質問票では高得点になる。
しかし、注意すべき点は、ODに特有な活動性の日内リズムである。多くのODは午前中に抑うつ的であるが、それと対照的に夕方から夜には、体調が回復し、お笑い番組をみてゲラゲラ笑うなど夜には元気になる。このような症例は抑うつ状態と診断すべきではない。質問票だけでなく、午後から夜の活動性を考慮して抑うつ状態の判定を行う必要がある。
近年、小児のうつ病が注目されているが、やみくもにODに抗うつ剤を使用しないように注意が必要である。
(小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン2005より)







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Last updated  October 9, 2007 11:15:07 PM
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