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第7回ブレイク直前講演会開催秘話【あんなこと★こんなこと】
先日、友人の高畠真由美さんが主催するブレイク直前講演会に講師として呼ばれ、講演をした。ブレイク直前講演会は、近いうちに必ずブレイクするぞ、と高畠さんが思った人のみを講師に選び、1ヶ月に一度講演を開くものである。 私は、高畠さんから、8月くらいには既に講演依頼が入っていたが、あまり本気にはしていなかった。ところが、友人に話したところ、「高畠さんは、そんなことを冗談で言う人じゃないから、心しておいた方がいいんじゃない。」と言われた。私は少し青くなったが、まだ、先の話だし・・・とたかをくくっていた。そうこうしているうちに、あっというまに、講演日である12月11日がやってきた。 実は、この講演には一つの不安材料があった。というのは、私が講演するまさに2日前に、大阪のカリスマ塾講師と呼ばれる木下晴弘先生の講演があったからだ。木下先生の講演は、パワーポイントの最新機能を駆使した見事なプレゼン、俳優のような演技力、そして、語りのうまさ、それから生き様の素晴らしさ、で群を抜いていたからである。 木下先生はセミナー講師のプロ中のプロで、私のような成人向け講演は初めて(高校生向けの講演経験はあるが)の者が対抗意識を燃やすはずもなかった。しかしながら、更に悪いことに、私の講演会の参加者の多くが木下先生の講演会にも参加していたのである。 主催者の高畠さんは、「だれもあなたと、木下先生を比べたりするはずがない。だって、プロ中のプロと、初めての人なんだから。」と言ってなぐさめてくれた。しかし、私には納得ができなかった。いくら木下先生がプロ中のプロで、私の講演会会費の3倍以上をとっているとしても、そんなの聴く人にとっては何の関係もない。安いからと言って、何の役にも立たない話を2時間も延々と聞かされた日にはたまったものではないし、安いからつまらなくても、面白くなくてもいいわけではないと思った。 だんだん自信がなくなって、講演自体をさぼりたくなる衝動に駆られた。しかし、私は、不安な自分を落ち着かせようとして、いろいろと考えた。何かいい手だてはないものだろうか。しかしながら、手だてなどあろうはずもない。 考えに考えたあげく、私は開き直ることにした。木下先生の講演は確かに素晴らしい。でも、それは木下先生の実体験に基づく話なので、心を打つし、皆が心の底から泣いたり笑ったりするのだ。私にだって、私にしか体験できなかったことがいくつもあるではないか、それを話せばいいのではないか、と・・・。心を決めた私の気持ちは実に爽快だった。そうだ。それで行こう。 しかし、講演会の会場についた私には、もう一つの不安が沸き上がってきた。それは、2時間を1人でしゃべりきれるかどうか、ということだった。 よほど、高畠さんとの掛け合い漫才ならぬ掛け合いトークライブにしてもらおうか、と考えた。以前、6時間この会場で雑談をしたことがあるじゃないか。2人で掛け合いトークライブをしたほうが、確実に面白いし、時間が余ることはまずない。しかし、ちゃむさん(小坂修さん)に相談すると、「そんなこと急に言われても、高畠さんだって困るじゃないですか。」と反対した。私は、「高畠さんとは、気心も知れてるし、大丈夫!」と反論した。 でも、ちょっと待てよ!と思った。ここで、そうやって逃げてしまっていいのだろうか?1人で話すチャンスを永遠に逃しはしないだろうか。はたと考えたあげく、レジュメを もう一度きちんと作成し直すことにした。レジュメをもう一度作り直していると、結構しゃべりたいことや、面白いエピソード、ここがポイントというところなど、話す材料がてんこ盛りであることがわかった。私は決意した。やっぱり、1人でしゃべろう、と。 ただ、また一つ不安材料が見つかった。レジュメに書いた項目は沢山あるのだが、私は元来早口なので、質疑応答の30分を除いても1時間半も持たないのではないか。すぐに 話し終えてしまうのではないだろうか。そうやって、いろいろ考えているうちに、開演の30分前となり、お客さんが入ってきた。もうやるしかない。私は腹をくくった。 講演が始まった。私は、自分の生い立ちから始めて、失敗したこと、成功したこと。ひどい目にあったこと、どん底を経験したことなど、赤裸々に語った。人間関係を上手くやる方法や人脈を増やし維持する秘訣など、皆に役に立ちそうなことをしゃべりまくった。何も怖くなかった。数多くのエピソードを話すたびにあっちこっちに話題が飛び、時間はあっという間に経っていった。私の不安など、一気に吹き飛んでしまった。 既に30分が経過したときにレジュメを見たら、ほとんどまだ何もしゃべっていないのに気が付き、「ここから4倍速でしゃべります」、と宣言して、早口でしゃべりまくった。 皆は必死で私の話についてきてくれた。やがて、皆の表情が真剣になったり、しんみりとしたりしながら、私は聴衆といつのまにやら一体となっていた。会場全体がしっかりと一つの心で結ばれていたのだ。やがて、質疑応答の時間など全く取れぬまま、講演が終了した。 私は拍手喝采に包まれた。いやあ、凄く良かったよ。もの凄く楽しかった。ためになったよ。面白かった。いい話を聴かせてもらった。など、嬉しいことを皆から言ってもらえた。私は心地よい疲れの中にいた。やった!終わった!そして、大成功だ! 講演が終わって、私はひとり不思議な気分だった。狐につままれたような感じだった。 やれた。最後までひとりでしゃべれた。私にだってやれるんだと思った。必要なのは、 やってみる勇気だけだった。やってみると、意外とやれる。TRY!TRY!TRY! 心からそう思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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