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2005.12.10
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カテゴリ:藝術道
まるで魔法のような光景に息を呑みました。

本日の午後、電通ホールで盛大に開催されました
全国富士山ネットワーク会議会場での出来事です。



富士山の世界遺産化を推進するための
キックオフ・ミーティングの来賓スピーチは、

 成田  豊さん(日本広告業協会会長)
 中曽根康弘さん(元首相)
 石川 嘉延さん(静岡県知事)
 山本 栄彦さん(山梨県知事)

という華々しくも、おごそかなものでした。

ところが....ここで紺の作務衣姿のお二人が登場。

誰かと思えば.....

背景画家の丸山 清人さんと、中島 盛雄さん...
銭湯に雄大な「富士山」を描く両達人なのです。

ちなみに、今や日本に背景画家は三人しか
いらっしゃらないとのこと....。

このお二人が、続いてのトークセッションの間に、
同時進行で、二つの富士を描き上げるというのです。

富士山ネットワーク会議壁画1

ようやく、真っ青な無地の背景と、
場内にほのかにただようペンキの香りの謎が解けました。

二人の達人は、まず垂直に水平にマスキングテープを貼り、
チョークで、ペンキで、下書きをします。

下書きとはいっても...
富士の輪郭ぐらいしか描かれていません。

あとは、すべて、ぶっつけ本番で、
いきなり、大きな刷毛やローラーで塗り叩くのです。

塗り叩くと書きましたが、決して誤植ではありません。

どんどんどんどん...

山肌、雲、海などの大きな部分に
ペンキを載せる時には、
リズミカルに刷毛を叩きつけます。

そして、またある時は、
細心の注意を払い、息を止めながら、
静かに刷毛を走らせるのです。


富士山ネットワーク会議壁画2

もちろん、トークセッションも素敵でした。

元文部科学大臣の 遠山 敦子さん、
作家・小説家・歌手の 新井 満さん
日本政策フロンティア理事長の 小田全宏さん

お三方それぞれにとっての愛する富士のお話は、
富士好きの私にはたまらないものでしたが...

やはり、目は二人の老背景画家の魔法に釘付けなのです。

フォーヴィズムの、いやアクションペインティングの
画家たちを思わせる素早い、そして全身を使った
筆さばき、いや刷毛さばき。

ゴッホよりも素早く手を動かし、
ポロックよりも衝動的に全身を作品にぶつけます。

何より、ありがたかったのは....

セザンヌの絵のごとく、余白を残した段階も含めて
2つの富士山の制作過程の一瞬一瞬が美しく、

まさに刻一刻と姿を変える
富士そのものに見えたこと。

また、大ぶりな刷毛やローラーで
どうしてかくも繊細に質感や空気感を表現できるのか
感嘆せずにはいられませんでした。

具象画に見えながらも、雲や波は大胆に描かれ
形も動きも生き生きとしているのです。

そして、限られた色数を重ね合わせて、
微妙なぼかしのなかで生まれる鼠百色が
富士山をめぐって織り成す光と色の
壮大な陰陽を見事にあらわしていることも驚きでした。


山梨県側、静岡県側の二つの富士を
それぞれ描かれたのですが、

見た視点の違いもさることながら、

師弟であっても、かくも描く世界が、
色と形が、何より富士から感じるものが....
違っているということに感嘆しました。


ちょうど、座談会の中で、富士は男か女かという
議論がありました。

私見では、富士は不二、即ち両性具有、さらには年齢不詳で、
見る人が見たいように見える、見るべき姿に見える。

そう思っていたのですが、お二人が描く
それぞれの富士を見て、改めてそう感じたのです。


富士山ネットワーク会議壁画3

驚いたことに、お二人とも、遠くに離れて
全体を眺めることをしないで、
絵を描き上げてしまいました。

常に、目先の部分に神経を集中しているのです。

それでいながら、次第に全体像が美しく形成されていくさまは、
正に「部分に全体が宿るフラクタルの世界」を思わせました。

あとで丸山先生にお尋ねしましたら、
既に、頭の中に絵が完成されているので要らないそうです。


富士山を愛する私は、これまでも、古今著名画伯の、
素晴らしい富士の作品を見てきたつもりです。

しかし、私のようなシロウトには....

高貴な芸術作品に触れるよりも、
身近な大衆芸術に触れる方が....

また、作品だけを見るよりも、
あるいは、難解な解説文を合わせ読むよりも、

その作家と制作プロセスを
目の当たりにすることではじめて、
アートとは何か、富士山を観るとはどういうことかを、
より強烈に体感できるのかもしれません。


わずか、一時間ほどで、この素晴らしい富士と
この素晴らしい笑顔を拝むことができたのです。

銭湯の富士.....

先人はなんと身近な贅沢と芸術を発明したことでしょう!

下町の銭湯コミュニティで幼少期を送った私は、
実は、祖母の郷里「御殿場で見る富士」と、
毎日の「銭湯の富士」とを重ね合わせながら
情緒を育んだのではないか。

だからこそ、富士山の絵ばかり
描いていたのではないか

今も、新幹線でも飛行機でも
富士山側の窓側しか座席を取りたくないのは、

うたた寝をしていても
ふと車窓から外を見れば富士山と目が合うのは

「そうか!銭湯の富士を通じて、
 ひそかに霊山と交信をしていたからか!」

そんな荒唐無稽な妄想さえも思いうかぶ
夢のようなひとときでした。


もちろん、この2枚の絵に心打たれたのは、
私だけではありませんでした。

作品が完成した中休み、
2枚の富士山の前は黒山の人だかりでした。

高名な芸術家が描いていたとしても、
これほどまでに共感を呼ぶことができたでしょうか?


「この素晴らしい企画を考えたのは誰なのだろう?」


とても気になったので、NPO富士山を世界遺産にする国民会議
事務局長の田中 秀範さんにお尋ねしましたら....

この会議の演出をされた方の発案なのだそうです。

この素晴らしい企画をされた方、運営スタッフのみなさまと、
二人の偉大な背景画家 丸山 清人さん、中島 盛雄さんに
心からの拍手とお礼を申し上げます。

特別なひととき、万感胸に迫る感動を
ありがとうございました!


 ▼縁尋奇妙日記4/25NPO「富士山を世界遺産にする国民会議」設立パーティ
   http://plaza.rakuten.co.jp/enginekimyo/diary/200505110000/

 ▼NPO法人 富士山を世界遺産にする国民会議
  http://www.mtfuji.or.jp/

 ▼オフロアート「銭湯の背景画展」
  http://www.tokyo-roman-theater.net/yuya/ofuro_art.html


ただいま久米繊維第二創業人財募集中!
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Last updated  2005.12.11 00:32:19


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