カテゴリ:音楽/その他
続き。 山田五郎→山 森田美由紀→森 岩本晃市郎→岩 宮武和広→宮 山 テープ・コンテストに出したシリウスの曲はどんな感じだったんですか? 宮 やっぱジェネシスですよね。ジェネシスをもう意識したようなことをやってました。 山 結果はどうやったんですか? 宮 結果はね…編曲賞を2年連続いただいたんです。 山 おお。素晴らしいやないですか。 宮 2回目がたぶんノヴェラがグランプリで、3回目4回目だったかな、編曲賞いただいて。ところがこれね、通知来ないんですよ。全然。 山 編曲賞ですよって通知が来ないの? 宮 うん、だから雑誌が出て本屋さんへ行って雑誌を開いて本人が確認するまでわからないんです。 山 もうそんなほとんど投稿状態。 宮 ですから発売日の心境たるや凄まじいもので、3軒隣が音楽誌置いてる店やったんですけども、一日50回ぐらい私行きましたもん。で、発売されてないか? 発売されてないかって行ってはね、それでもうあまりにも怪しいということで警備員さんに捕まって。何を目的に君何回も何回も来てるんだと。 山 漫画少年に投稿した藤子不二雄さんみたいな、「まんが道」みたいな。 宮 そうなんですよ。 山 プログレ道が。 宮 あったんですよ。そこでもう有り体に喋って、実は今日発売の本に載るんだ、と。何時に来るか教えてくれってなことまで言ったことがありますよね。 山 「編曲賞の宮武や!」。 宮 あっはっはっはっは! 取ってることわからないですやんそんな。だからもう開けて初めて最後から10ページ目ぐらいのところ見たら編曲賞2年連続って書いてあって、「ああやったー」って思うんですけども。ちょっとあんまりでしたね、発表の仕方が。 でもこの時ひとつ僕手段がありまして。普通その、カセットテープを封筒に入れて投函してくださいってこと書いてあったんだけども、僕その1年間の集大成のカセットテープを入れてポストにポンっていうのはね、どうしてもできないです。どうしたかというと、こんなちいちゃなカセットテープをこれ以上大きくならないという形で包みにしましてね。自分の書いたライナーとかその曲への思い入れとかいろんなグッズをたくさん入れて雑誌社に送ってました。 森 こんなって今50メートル四方ぐらいの大きさでしたけど。 山 50センチ四方ね(笑)。 森 50センチ四方ですね。失礼しました。 宮 だからもう雑誌社の方は着いた瞬間に宮武から荷物が届いたって。 山 またあの変な奴から(笑)。また大坂の変な奴から来よったぞと。 岩 今で言うスペシャルボックスセットみたいな。 宮 そうですそう。でもそうでもしないと…でしょ? 1年間の思いをこんなちっちゃなカセットとこんなつまらない封筒1枚に収められないですよ。 山 それがね宮武さんね、また僕プログレ魂と言われるところだと。プログレの人はそれが好き! セルフライナーとかね(宮:笑い止まらず)、その…パッケージ作りとかね。それが好き。プログレ。それがプログレですね。 宮 確かに好きですね。 山 メンバーはその後増えなかったんですか? 宮 そっからまた2人が減って。 山 減ったんですか!? 増えるどころか。 森 3人から2人…減っちゃった。 山 3人からまた2人が減っちゃった。 宮 そして3人からまた2人が減って1人になって。で、やっぱりメンバーを探そうと思ったんだけども、やっぱりね、自分の周りに自分の欲しいミュージシャンというのはいなくて。じゃあ仕方ないので自分が一番やりたいのは誰かって問うたら自分だという結論に達しまして。まあ言っちまえば自分の言うなりになるのは自分じゃないですか。だから自分でできることをもう全部やろうということで、この時にマルチプレイヤーを目指す…。 山 プログレやなー…。 宮 そうです(笑)。 山 ああー…、それもまたプログレ的ですよね。プログレの人がバンド、コロコロ変わるのはそれですもんね。 宮 なんかでもこれさ、山田さんもベタベタの大阪弁になってますね(笑)。 山 お付き合いいただけると付いていけるんですよ。 ありがとうございます。ははは(笑)。 山 1人じゃ持ちこたえられないので。 宮 ありがとうございます(笑)。 岩 これぞ「プログレの道なり」ですね。 山 プログレの道なりですよね、これ。 宮 そこで始めたのがフルート。僕フォーカスが大好きでフォーカスの曲やりたかったのにできなかったのがフルート吹けなかったんですよ。で、このバンド浪人の間を利用してフルート吹こうと思って。 山 自分で吹こうってところが凄いですよね。フルート探してこようじゃなくて。 宮 フルートさえもいないんですよ、このシーンには。 山&岩 このシーンにはって凄いですね(笑)。 宮 関西にはいないんですよ。 山 でもプログレのフルートは大概、音大から探してきたもんじゃないですか。 宮 でも音大の方ってのはもっと違う次元にあって、目線が。プログレなんかアホらしくて吹けないですよね。 山 吹いてくれなかったんですか。 宮 吹いてくれない。だから僕がどうしたかって言うと、町のフルート教室に変えました、まず。 大学生の女の子が片手間におじちゃんにちょっと教えてお小遣いが入ってくるような音楽教室があるんですけども、某音楽教室が。そこで音の出し方から始めてやったら、3ヶ月目ぐらいにもうあなたは手に負えないと。上達しきって。 で、上の先生を紹介するからということで、上の先生行って。またそこで3ヶ月経って手に負えないと。また上の先生に行くからって、どんどんこうお芋の煮っ転がしみたいにこう、転がされましてですね。 山 凄いですね。 宮 いやこの時ね、だからね、自分で言うのなんですけどね、降りてたんですよ。フルートの神様が。 岩 タイス・ヴァン・レアが降りちゃったんだ。 宮 タイス・ヴァン・レア、レリホロレリホロってやつですよね。降りてたんですよね。 山 ジェスロ・タルも降りてた。 宮 ジェスロ・タルも全部降りてたんですよね。ハケットの弟も。だから半年、一年でフルートをマスターして、で、フルートもギターもベースもキーボードも。 リズムマシンはこの時ね、いろいろまあ走りです。TR-808っていったかな、出てきて。そんなところでやってました。 ただ独りになって逆に追い風が吹いたというか僕にその風が出てきたのは、この時家庭用の初めての宅録用の4トラのカセットのやつが出てきました。この時期に。これはね、凄くね1人ミュージシャンにとっては願ってもないことで。 山 比較的安い値段のやつですよね。 宮 比較的安い値段で。 山 だってそれまでは高かったんですよね、録音機材ってはもう。 宮 スタジオ借りて1時間1万とか2万でね。なんでこんなようけ払わないかんねん。ぼったくりやないかと思うようなやつを1人でシコシコと。 山 できるように。 宮 おうちでできるようになったのがこの時期やったんですよ。 山 いやでも宅録の、ね。宅録維新ですね。 宮 維新です。宅録維新です。 続く。
Last updated
2011/10/17 08:23:32 PM
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