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カテゴリ:本
ヨーロッパを代表するジャーナリストであるヘイミシュ・マクレイ氏が、
2050年の驚くべき現実を大胆に予測する本書「2050年の世界 見えない未来の考え方」 経済の視点からみた現状と著者独自の分析から見えてくる30年後の予測が面白い。 ヘイミシュ・マクレイ氏は、「2020年地球規模経済の時代」にて ・イギリスのEU離脱 ・アメリカ政治の破綻 ・感染症のパンデミック の3つを予測しているとのこと。 本書では、ヘイミシュ・マクレイ氏が考える2050年に向けての 5つの力と10の不安/考え方が述べられている。 ●変化をもたらす5つの力 1)人口動態――老いる世界と若い世界 2)資源と環境――世界経済の脱炭素化 3)貿易と金融――グローバル化は方向転換する 4)テクノロジーは進歩しつづける 5)政府、そして統治はどう変わっていくのか ●10の不安 1)アメリカの政治体制が崩れる 2)中国、インド、アメリカの関係が悪化する 3)ロシアが強く出過ぎる 4)サハラ以南アフリカが貧困から抜け出せない 5)宗教紛争が勃発する 6)環境の悪化と気候変動を元に戻せなくなる 7)新型コロナウィルスの影響が尾を引き、そこに別の新たな脅威が襲いくる 8)中東がさらに不安定になる 9)情報革命は恩恵をもたらさず、弊害を生む出すかもしれない 10)民主主義への脅威 ●10の大きな(主に前向きな)考え方 1)中間層の世界 2)アメリカはいまよりも穏やかになり、居心地がよくなり、自信を深める 3)アングロ圏の台頭 4)中国ー世界最大の経済国は攻撃から協調へと転じる 5)EUは中核国と周辺国に分かれる 6)インドとインド亜大陸ー明るい未来は手の届くところにある 7)世界におけるアフリカの重要性が高まる 8)グルーバル化は、モノのいどうからアイディアと資金の移動へと方向転換する 9)テクノロジーが社会課題を解決する 10)人類と地球のより調和のとれた関係 さらに、本文中にいくつかの大きなテーマが語られていた。 ・中国の領土拡張はやがてついえる ・英語を話す国々は、好む好まざるとにかかわらず、 つぎの30年に重要性がますであろう非公式な集団を構成している ・ヨーロッパは世界経済における存在感が小さくなり、 EUの便益と費用のバランスは変わる 本書は、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まったころに書き終えたみたい。 不安の8)中東の不安定は… とても心配 エビデンスの有無もはっきり示していて、読みながら、考えながら、楽しくなってきた 持っているものと、持っていない者の間に大きな壁ができ、格差社会が広がると 常々考えているが、 著者の”世界人口の約2/3が中間層と富裕層になる”との主張と同じで嬉しい。 また、”中国やインドはかつての勢いを取り戻せるか”、は考えたことなかった。 さらに、アングロ圏、アフリカは世界でも屈指の起業家精神にあふれる大陸、等々、 私が何も知らなかった事実と世界観が新鮮で、視野が少し広がった感じ… 本書を読んで、 視野x視座ではなく、 視野x視座x時間 と”時間軸”が必要なのかもしれないと…、ぼやっと考えた。 自分のビジネスにもつながるかな... 464ページと辞書のような厚さの本だが、読んでよかった。 お勧めの一冊!! 2024年10冊目 期間:2024年3月16日~2024年3月29日 題名:2050年の世界 見えない未来の考え方 著者:ヘイミシュ・マクレイ 翻訳:遠藤 真美 出版:日経BP 日本経済新聞出版 (2023/7/20) 内容(出版社より) 2,923位本 (Amazon本ランキング) 世界を変える「5つの力」と「10大要素」とは何か? 膨大なファクトと経済学、地政学、歴史的な洞察から、 欧州を代表する経済、ビジネス、社会のトレンドスピーカーが 30年後の世界を大胆に予測!! ●気になったフレーズ ・エビデンスを入手できるようになると、考え方や懸念が変わる ⇒エビデンスが入手できると確度があがって変わるってことですね ・わたしたちがいまどこにいるのかわからなければ、 これからどこに向かうのか、わかるわけがない ⇒今の位置を知るのは、国家にせよ、会社にせよ、個人にせよ、大事なことだと思う ・世界が物理的な距離よりも、言語と文化で深く結びつくようになるのであれば、 スペインの未来は明るくなる ⇒本書では、言語の結びつきの重要性が度々述べられていたが、 翻訳機が進化して言葉の壁はなくなると思っている。 言葉の壁がなくなったときに何が起きるか…楽しみ ・将来は不確実なことがたくさんある。 そうだとしても、世界の人口が増えつづけ、高齢化しつづけるのは避けられない ⇒祖母も親も自分も歳をとって、”高齢化しつづける”の意味がよくわかる ・スティーブ・ジョブスは2007年のプレゼンテーションで、 こんな有名な言葉を残している 「ときおり革命的な商品が現れて、すべてを変えてしまう」 ⇒革命的な商品の開発は無理だが、革命的な商品を利用することができる。 そのチャンスを逃さず狙いたい。 ・かなり確実に言えることが二つある。 つぎの30年に医療は目覚ましく進歩する。 そして、テクノロジーがその重要な原動力になるだろう。 ⇒この10年をみても相当な進歩をしたと思うので、 この先どのように進歩するか、これも楽しみ ・プライバシーとセキュリティの衝突は避けられず、 すべての社会が頭を悩ませている ⇒すべての社会が頭を悩ませているようには見えない... 個人情報は、商業に利用され、留まるところをしらない AIはさらにそれを加速していくだろう。 その世界を許容せざるを得なくなると思っている。 ・こんなに広い宇宙にいるのがわたしたちだけだとしたら、それこそ驚きだ。 ⇒その通り。何でも知っていると思うのは人間のエゴだと思っている ・歴史は繰り返さないが、よく韻を踏む ⇒全く同じではないが、似たようなことはよく起きるという警句。 歴史を振り返れと、よく言われるが、その通りかもしれない ・アメリカは技術の一層の飛躍をリードしつづける ⇒今後の30年間であれば、アメリカのリードは否定のしようがない ・ロシアと日本の経験が物語るように、中国が技術の覇権を長く維持するのは難しい ⇒外国の人材を呼び込むのが難しいから… と続く 中国は、日本とロシアと違ってしたたかで、 外国の人材の取り込みの代わりに世界中に技術者を派遣し、 世界最高の技術力を維持するのではと思っている ・何よりも気がかりなこととして、教育レベルが高い人ほど、 自分の意見を裏づけるエビデンスを探し出すのがうまく、 都合の悪いエビデンスは無視してしまうようなのだ ⇒本など、ニュース以外の媒体に触れることも大事 自分の知らない世界を知るのは新鮮で刺激的!! 読書だけでなく、経験も増やしたい。 次はこれを読んでみたい ひとり息子が家を出て鹿児島へ就職… 彼にとって成長する良い機会だと思うが、 親として、心配であり、期待もあり、寂しくもあり、複雑な心境 心身の健康に気をつけて、頑張ってほしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.03.31 09:47:40
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