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マンガをアニメ化する際に、評価の割れやすい基準のひとつが「テンポ」というものだと思いますが。
元々、原作が読者個人の読むペースがまちまちである上、アニメでは30分(CM抜いて25分)の時間内でその放送をまとめなければいけない、という制約まで発生するから、製作される方はさぞご苦労であろうと。 で、個人的には「物足りないぐらいが丁度いい」と思っています。詰め込みすぎ、ぐらい情報の密度を濃くした方がいいかと。 宮崎駿監督の「名探偵ホームズ」で伝説的な放送となっている「ドーバー海峡の大空中戦」というエピソードでは 1、朝の日常風景、ワトソンとハドソン夫人、そしてホームズの軽いやり取り 2、突然、上空から不時着地点を探す複葉機 3、危険を感知して走り出すホームズとワトソン、そして目の色が変わるハドソン夫人 4、不時着した複葉機に普段のおしとやかな姿からは想像できない快活な動きで乗務員を救出するハドソン夫人 5、救助完了後、大爆発をする複葉機 6、緊張の糸が切れてその場に倒れこむハドソン夫人 7、その光景を裏で見ているモリアーティー教授 8、場面変わってハドソン夫人の過去のエピソード 9、複葉機のパイロットが最近話題の航空郵便の乗り手で、しかし事故続きであるというエピソードの紹介 えーと、コレだけの内容を、放送開始5分で表現しています。(W.びっくりしますよ。しかも、何の過不足も無い、どころかキャラクターの魅力を十分に魅せ、かつ、切ない心理描写なども含めて。 これは宮崎駿氏が「天才演出家」と言われる所以でもあると思うのですが。とにかく情報の詰め込み方がハンパない。だから、同じ30分のアニメを見た後での感想が、まるで2時間の映画を一本見たような満足感を味わえる。同シリーズの宮崎駿氏が監督、演出したお話だけ突出して面白く感じるのは、その辺にも秘密があるのかもしれません。 原作つきの作品だとなかなか演出家の方の自由も利きにくいから難しいかもしれませんが、アニメのテンポは「詰め込みすぎで時間が足りないぐらいがちょうどいい」のではないかと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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