アニメ「TIGER & BUNNY」を見ていて、つくづく考えさせられたのが「キャラを立てる、という意味」です。
前に聞いた話ですが、漫画の編集者が新人の持ち込み原稿によく言う言葉が「もっとキャラを立てて」というアドバイス。しかし、これを勘違いする新人さんは、そのキャラの背景とか、裏設定ばかりをたくさん作ってしまう、というもの。
たとえばボクシング漫画で、主人公のキャラを立てるということが過去の因縁とか、育った環境とか、複雑に絡み合った人間関係、というややこしい事をごちゃごちゃ解説するより、「常に右乳首に「見返り美人」の切手を貼って試合に出るボクサー」の方が、連載一回目から何の説明もなしに読者に興味を引かせます。これは極端な例ですが。
で、上記のアニメのすごいのは、多数のヒーローが一話目から登場する、にもかかわらず、どれもキャラが立っているというもの。中には画面にほとんど登場しない(見切れている)、ということが「個性」になっているヤツまで・・・
このヒーローたちの背景や人間性などは今後明かされていくのでしょうが、掴みはOK!という、オリジナルアニメを見続けてもらうために一番難しいハードルを見事にクリアしました。 そして、どんなに凝った裏設定を作っても、必ずしもキャラを立てたことにはならないんだろうなと。
ゲーム作りの現場でも、本編には登場しない設定がびっしりあるのに、キャラの外見は「普通」などという企画がよくあります。これでは製作者の自己満足でしかない。いわゆる「設定厨」にならないようにしないと。
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